フライペーパー!史上最低の銀行強盗


 2015.2.12      癖のありすぎる強盗たち 【フライペーパー!史上最低の銀行強盗】

                     


■ヒトコト感想

二組の銀行強盗がはち合わせ。方やハイテク武装をした三人組。方やTシャツ短パンの軽装。どちらも金目当てなことは変わりないが、その温度差の違いが面白い。銀行強盗同士で争ったかと思うと、人質をとり、それぞれ目的を達成するために動き出す。ハチャメチャな状況で、人質に対してもそこまで横暴ではない。ただ、人質をひとつの部屋に閉じ込めるだけ。

銀行強盗たちの間抜けっぷりが面白い。特に軽装の銀行強盗は、その存在だけで笑えてくる。ハイテク組の邪魔をしたり、ATMをこじ開けるために必要以上の爆弾を使ったり。いつの間にか強盗たちが、何者かに殺されていたり。ひと癖もふた癖もある強盗たちの間抜けっぷりが何より面白い。

■ストーリー

慌ただしい閉店間際のとある銀行。窓口係のケイトリンは大量の小銭を両替しに来たハンサムだけどちょっとおかしなトリップという男の応対をしていた。その時、一発の銃声が銀行内に響き渡る。

現れたのは完璧にハイテク武装した三人組の銀行強盗、だけかと思いきや別方向から現れたのはTシャツ、短パン姿というコンビニ帰りのような出で立ちの銀行強盗コンビ。なんと同時に別々の二組の銀行強盗が襲撃してくる…。

■感想
閉店間際の銀行に二組の銀行強盗が入り込む。混乱の中、客の中にひとりの犠牲者がでる。まず、二組の銀行強盗が面白すぎる。間抜けな発言のオンパレードの軽装な銀行強盗。真面目で準備万端だが、なぜかチグハグなハイテク銀行強盗。

それぞれのポリシーで銀行の金を奪おうとするのだが、どうにもうまくいかない。軽装組のプラスチック爆弾の爆発で、ハイテク組の金庫破りがうまくいかない。お互いが殺し合うのかと思いきや、なんだかんだと共同することになる。このなだれ込み感が良い。

結局のところ、様々なアクシデントで銀行強盗はうまくいかない。人質の中で、ひとり冴えた推理を展開するトリップが、一連の流れの中でおかしなことに気づく。単純なドタバタ銀行強盗ものかと思いきや、突如としてミステリアスな流れとなる。

人質の中にすべてを裏であやつる者がいる…。いきなりの展開には驚かずにはいられない。ネット上に存在するという犯罪者ランキング第一位の男が、裏で何かしら動き回っているらしい。それまでのギャグ的な伏線が急に活きてくる。

ラストでは誰が黒幕かをお互いが不信感を露わにし疑いだす。トリップが疑われたかと思うと、別の人物が疑われたりもする。そして、最後の大騒ぎが始まる。どことなくコンゲーム的な流れはある。最後にひとり勝ちするというのも流れ的には面白い。そして、それなりに整合性のとれた結末となっている。

単純なコメディかと思いきや、チョコチョコとおかしな流れとなっていたので、どうなるのか心配だったが、最後はしっかりとオチをつけている。

面白タイトルなため、内容を誤解しがちだが、ラストの流れは良い。



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