2017.2.28 ユアン・マクレガーのゲイの演技が秀逸だ 【フィリップ、きみを愛してる!】
評価:3.5
■ヒトコト感想
IQ169の天才詐欺師が、恋人と会うために脱獄をくりかえす。本作が実話を元にしているということに何より驚いた。天才詐欺師のスティーブンはゲイであり、相手の気を引くために金が必要で詐欺を働く。その後、逮捕され刑務所で運命の人フィリップと出会う。ジム・キャリー演じるスティーブンの脱獄するための行動がすさまじい。これが実際に行われたとなると…。
基本は体を傷つけたり昏睡状態となり刑務所の病院に運ばれ、そこから脱獄してしまう。ゲイであるということがちょっとしたスパイスとなってはいるが、スティーブンのすさまじい執念に驚かされるばかりだ。ラストではスティーブンがエイズで死んだと思わせ、脱獄するという離れ業をやってのけてしまう。
■ストーリー
大事故で命を失いかけたIQ169のスティーブン(ジム・キャリー)は詐欺師として暮らし始めるが、保険金詐欺で投獄された刑務所で、心優しいフィリップ(ユアン・マクレガー)に運命の一目惚れ!!この出会いが再び彼の人生を変えていく――。
フィリップを幸せにしたい一心で、詐欺を繰り返し、念願の2人きりハッピーセレブ生活に突入するが、それもつかの間、再び投獄され、2人は離ればなれに。でも、どうしても“愛してる!"と伝えたい!!嘘にまみれた天才詐欺師スティーブンが思いついた、一世一代の大勝負とは――。
■感想
嘘にまみれた天才詐欺師のスティーブン。カード偽造やちょっとした詐欺ならお手の物。フィリップと出会い、安定した高収入の仕事が欲しいと考えると、自分の経歴を偽り大企業に勤めたりもする。こんなに簡単に相手をだませるだろうか?いきなり財務関係のCFOとなり、成果を出せるだろうか?
作中では天才的な詐欺師の才能で相手をだまし、まんまと横領を成功させている。その他には、弁護士のフリをして実際に法廷で対決し、無罪を勝ち取ってしまう。詐欺師ではあるが、IQ169ということで基本能力は高いのだろう。
スティーブンはゲイだ。この要素が物語にどれだけ必要かというと…。相手が女でも良いのだが、そうすると本作のような面白さはでないだろう。フィリップに恋い焦がれる。女に貢ぐよりも、男に貢ぐ方がなんだか純愛のように思えてくるから不思議だ。
刑務所内で愛を育むという面でも、相手は男でなければならない。外で待つフィリップのために、逮捕されてもすぐに脱獄しようとするスティーブン。すさまじい執念と、何度もスティーブンに脱獄される刑務所側の間抜けさが際立っている。
ラストの流れはすばらしい。どうしても脱獄しフィリップに会いたいスティーブンは…。まさか自分をエイズだと偽り、最終的にはスティーブンが死んだということになる。なんだかめちゃくちゃで、普通に考えると、どれだけ天才的な詐欺師でも死んだと思わせることは難しいだろう。
映画的演出なのかもしれないが、ラストでその後のフィリップとスティーブンの行く末が紹介されると、本当だったんだ!という驚きがわいてくる。
それにしても、フィリップを演じたユアン・マクレガーはゲイの演技がすさまじくうまい。
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