フィクサー


 2016.2.6      巨大企業の恐怖の論理 【フィクサー】

                     
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■ヒトコト感想
法律事務所に所属するマイケルは”もみ消し屋”としての仕事に従事する。様々なトラブルをもみ消してきた男。冒頭で、もみ消しの依頼があり、それに対応している途中で車が爆発する。自分の命が狙われていると気づいたマイケルは…。時間はさかのぼり、過去から冒頭のシーンへ続くまでに何があったのかが語られている。

巨大農薬企業での訴訟の問題がメインであり、巨大な和解金が動く裁判では、重要な情報を握る者は命を狙われる危険もある。農薬企業側の弁護士であるアーサーが、何年にもおよぶ裁判に疲れ、原告側にすべてを暴露しようとする。精神に異常をきたしたフリをして、大胆な行動をとるアーサー。その結果、企業の恐ろしさが描かれている。

■ストーリー

主人公は一応、法律事務所に所属しているものの、その仕事内容は、大企業にとって不利な情報を隠蔽する「裏稼業」。なかなか日本ではお目にかかれない職業を、ジョージ・クルーニーが人間くささも織り込んで名演する。名うての“もみ消し屋”として知られるマイケルが、巨大農薬会社で同僚が起こしたトラブルを解決するうち、自らの命も狙われる事態に陥ってしまう。

■感想
法律事務所に所属しながら裏の仕事をうけおってきた男・マイケル。大企業にとって不利な情報を隠匿しつづけてきたもみ消し屋。怪しげな仕事だが、冒頭ではいきなりそのプロフェッショナルな対応を見せている。その後、いきなりマイケルの車が爆発する。

そこで命を狙われていることに気づくマイケル。ここから、過去にさかのぼりマイケルが命を狙われる原因が描かれている。巨大農薬企業が農薬の薬害裁判を何年も続けており、巨大な利権が絡む関係で、巨大企業の強行な理論が描かれている。

巨大農薬企業の担当弁護士であるアーサーが、人を騙し続ける仕事に嫌気がさし、原告側にすべてを暴露しようとする。このアーサーが強烈だ。突然裸になり異常者のフリをして巨大農薬企業の不正をすべて暴露しようとする。

裁判のすべてをコントロールしてきた男の裏切りは、その企業の死を意味する。となると…。マイケルはアーサーを助けようとするのだが…。巨額がうごく裁判では、すべては強い者の理論で動くことになる。いかに安い和解金で裁判を終わらせるか。それだけを考える巨大企業の執念は恐ろしい。

企業の理論を振りかざされると、弱い者は泣き寝入りするしかない。そして、秘密を暴露しようとした者は始末される運命にある。マイケルは自分が狙われているとわかると、企業に噛みつき始める。ラストの流れは秀逸だ。

すべてを、波風たたないように裏でうごめいていた法務部担当部長とマイケルの対決は秀逸だ。お互いの駆け引きと、マイケルの相手を脅す行動はすごい。自分は金で転ぶから、命を狙うのではなく金をよこせ、という下りがすごい。普通ではないが、迫力がすさまじい。

企業の論理を振りかざされた時、弱い者は泣き寝入りするしかない。



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