ドライヴ


 2015.7.5      ハイスピードのカーチェイスは圧巻だ 【ドライヴ】

                     


■ヒトコト感想

昼はカースタントマン、夜は強盗の逃走を手助けする運転手である”ドライバー”が強烈にかっこよい。寡黙でほぼ会話をしない。圧倒的なドライビングテクニックを有し、警察に追われたとしても、あっさりと逃げきってしまう。同じアパートに住む親子を助けるために、裏社会の抗争に巻き込まれていく。まず爽快なのが、ドライバーの運転テクニックだ。

超スピードでのカーチェイス。まるでレースゲームのように、抜群のスピード感で疾走する。ハイスピードのカーチェイスで何より強烈なのは、そのエンジン音だ。まさにゲーム的な映像と音だ。後半では裏社会での戦いに明け暮れるのだが、圧倒的な暴力というのもポイントかもしれない。寡黙で容赦ない男。見た目とのギャップが激しいのは確かだ。

■ストーリー

ライアン・ゴズリングとキャリー・マリガンが共演したクライムサスペンス。昼はハリウッドのスタントマン、夜は強盗の逃走を請け負う運転手の“ドライバー”が、危険な裏社会の抗争に巻き込まれていく姿を描く。

■感想
ライアン・ゴズリングが寡黙なドライバーを演じる。無表情で多くを語らない代わりに、圧倒的なドライビングテクニックを見せる。警察無線を盗聴し、ヘリやパトカーからの追跡を避ける。交差点でパトカーと相対した瞬間、圧倒的な加速力でパトカーを振り切り、人でごった返す駐車場にすばやく車を止め逃げ切ってしまう。

無口な仕事人という感じがすばらしい。犯罪実行から五分だけ待つ。五分以内であればどんな状況でも逃げ切ることができる。五分を過ぎたら有無を言わさず発進してしまう。

同じアパートに住む母子の父親を助けるために、裏社会の仕事に深くかかわるようになる。アクシデントから仲間が殺され、ドライバーは騙されたと気づく。そこからのドライバーの行動が圧巻だ。昼はスタントマン、夜は運び屋なだけではない。

圧倒的な暴力を持ち合わせており、自分や仲間に危害を加えるものに対して、冷酷非道な暴力で対向する。いったん頭のネジが外れると、制御不能なようにひたすら相手を痛めつける。映像的にも、グロテスクな暴力描写をあえて描いており、その中で無表情なドライバーの冷徹ぶりをアピールしている。

裏社会の抗争の中でのドライバーの立ち位置は微妙だ。守るべき者がありながら、敵は組織的に攻撃してくる。敵のボスキャラは、これまたドライバーに負けず劣らずの冷徹ぶりだ。さらには、殺し方が手術で使うメスのようなものという、グロテスクな映像を演出する上ではうってつけの武器だ。

ドライバーの肉体的な圧倒的暴力と、メスを持った男の戦い。ラストは、優雅な音楽がバックに流れながら、ひたすら二人の男たちが殺し合う。なんともシュールな映像だが、今までの前ふりがあると、その場面も不思議な説得力がある。

カーチェイスのスピード感は秀逸かもしれない。



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