ドライブイン蒲生


 2017.2.21      マイルドヤンキー生産の仕組み 【ドライブイン蒲生】

                     
評価:2.5

■ヒトコト感想
さびれたドライブインで育った姉サキと弟トシ。自堕落な生活を送る父親。ドライブインの営業は適当で父親は家族に対して暴力をふるう。そんな父親と仲が悪い姉のサキ。二人の青春時代と、成長し大人となったその後のふたりが描かれている。明らかにマイルドヤンキーを彷彿とさせる流れだ。サキはヤンキーとなり子供をつくり家をでていく。

トシはサキとは仲良くやりながらも、グレていく。そして、父親が入院し死に近づくのだが…。バカな家族と言われ続けた姉弟。まさにそのとおりにダメな家族となり、ダメな大人となる。サキは旦那と離婚し、娘の親権でもめる。それを見守るトシ。田舎のヤンキーが生み出される流れと、その後が的確に描かれているような気がした。

■ストーリー
街道沿いのさびれたドライブインに生まれ育った姉サキ(黒川芽以)と弟トシ(染谷将太)。謎につつまれたミステリアスな過去をもつ破天荒な父(永瀬正敏)のせいで、姉弟は物心ついた時から「バカの家の子ども」と蔑まれていた。

やがて周囲への反発からヤンキーになったサキは、自堕落で奔放な生活を送り、あげくの果てに妊娠して家を飛び出してしまう。一方で弟トシは、そんな姉サキがやさぐれるほどに、オンナの色気を感じていた。それから数年後、夫にDVを受けたサキが娘を連れて出戻ってきたのだが…。

■感想
ドライブインを経営するダメな父親の元で育つふたりの姉弟。サキは父親のことを嫌い、父親もサキを嫌う。弟のトシはどこか父親に気に入られているところがある。序盤では父親が突如として癇癪をおこし、サキや母親が迷惑している描写が続く。

家族の会話の中で、ふとでてきたひとつのワードに極端に反応し、被害者意識から暴れ出す父親。家をとっちらかすと、コートを羽織り外にでていく。典型的なダメ親父だ。トシはそれほど嫌悪感を示していないが、サキは露骨に現している。

お決まり通りサキとトシはグレていく。サキは男をとっかえひっかえし、トシはヤンキーとなる。それでも、父親が入院し死にそうになるとお見舞いにいく二人。ただ、そこでもサキは父親に対して辛辣な言葉を続ける。田舎のヤンキー家族をそのまま描いたような物語だ。

父親が死んでからも生活が変わるわけではない。サキは家を出ていき、トシだけが残される。その後、成長した二人が描かれることになる。サキはDV旦那から逃げ出し、トシは普段着がジャージのフラフラとしたダメ人間となる。

まさに田舎のマイルドヤンキーをそのまま描いたような作品だ。そもそもの家庭環境に問題があり、そのまま軌道修正されることなく、サキは早くに結婚し子供を産む。トシは定職につくことなくダラダラと日々を過ごす。姪から「ヤクザなの?」と聞かれたりもする。

バカ家族と呼ばれてはいたが、それなりに考えていても、生活が変わることはない。それなりにまともになったサキだが、やはりヤンキーの雰囲気が消えることはない。

サキが妙に色っぽく、サキを見るトシの目もまた、姉を見る目ではないのが印象深い。



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