ドリームハウス


 2015.3.1      中盤に早くも大どんでん返しが 【ドリームハウス】

                     


■ヒトコト感想

新たに購入したマイホームが、実は過去に一家皆殺し事件のあったいわくつきの家だった。なんてパターンを連想していた。新しい家で、美しい妻と可愛い娘二人と幸せな生活を送ろうとするウィル。ホラーの定番的流れかと思いきや…。まず大きな仕掛けが中盤に待っている。ネタばれになってしまうから詳しくは書けないが、ウィルの状況自体に実は大きな秘密がある。

今まで積み上げてきた幸せな家族像は何だったのか。ありがちな大どんでん返しのパターンだ。が、そこから物語はまだ続いていく。真実を知ったウィルが、一家皆殺し事件の犯人は誰かと探し出そうとする。いくつか山場があり、一筋縄ではいかない作品であることは間違いない。

■ストーリー

購入したばかりのマイホームで小説を書きながら、美しい妻と二人の娘たちとともに人生を過ごすことを決意したウィル・エイテンテン。しかし、会社を辞め、平穏で幸せな生活を築いていこうとした矢先、一家に不幸が訪れる。娘が幽霊らしきものを見たとおびえたり、謎の男が自宅を覗きこんでいたり、自宅の地下に侵入した少年少女たちが怪しげなミサを行っていたり…。

違和感をおぼえる奇怪な出来事が相次ぐのだった。そしてその原因は、5年前に起きた殺人事件にあることが判明。なんと、かつてこの家では、母子3人が虐殺、父親は重症という壮絶な事件が起きていたのだ。殺人事件の犯人がまだ捕まっていないという事実を知ったウィルは、家族を守るため事件の調査を始める。しかし、そこに待ち受けていたのは想像を絶する衝撃の事実だった―。

■感想
幸せな家族を襲う謎の幽霊屋敷?的な物語を想像していた。怪しげな地下室あり、殺された家族の遺品あり。ウィルと幸せな家族はそれを知らずに引っ越してきた。周りの住人からは奇異の目を向けられる。定番的流れが、中盤に一気に山場がおとずれる。

幽霊屋敷と思われたいたのが実は…。ウィルは幸せな家族との生活を満喫していたはずが、実は…。敏腕編集者が小説を書くために出版社を辞めたはずが、実は…。すでに中盤でこのレベルの大どんでん返しをされると、その後の展開で、さらに大きな謎があるのか?と心配になってしまう。

ウィルが真実を知った時、そこからさらに別の謎がわきでてくる。ウィル周辺のきな臭い状況と、周りの住人、特に近所のアンが何かすべてを知るような表情をしている。さらには、ウィルがすべてを知ってからもなお、家族との幸せな幻想から逃れられない。

このあたり、ウィルは半分正気で半分異常なのだろう。ウィルが幻想と対話しながら真犯人を探しだそうとするのは、かなり特殊な状況かもしれない。物語として、大どんでん返し一発で十分成立していると思うのだが、本作ではさらに先がある。

中盤での強烈な事実から後半までは特別な驚きはない。結局のところピークは中盤にあったということだ。その後は、ウィルがどのようにして正気へ戻る道を歩んでいくのか、そして真犯人をどのようにして突き止めるかにかかっている。

二段階の驚きというほど、後半の驚きは強くない。すでに中盤での衝撃的真実で、物語の賞味期限は切れたような感じだ。本作のようなパターンは難しいのだろう。最初の衝撃よりもさらに大きな衝撃を後に用意しておかなければ、物語として成立しなくなってしまう。

なんだかんだ言っても、中盤に暴露される真実は衝撃的だ。



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