デッド・インパクト 処刑捜査


 2015.1.18      無慈悲な爆弾魔 【デッド・インパクト 処刑捜査】

                     


■ヒトコト感想

ライオンという爆弾魔と、それを追いかける捜査官のトム。ライオンが猟奇的な爆弾魔であり、強烈な仕掛けでターゲットの心を打ち砕くような仕打ちをする。冒頭、トムの最愛の妻が罠にかけられ、トムは仲間を助けるために妻を射殺することになる。いきなり衝撃的な場面から始まる本作。やはり強烈なインパクトがあるのは、ライオンの様々な仕掛けだ。

神出鬼没というかあらゆる場所に変装してもぐりこみ、仕掛けを作り実行する。トムや仲間のイザベルがどれだけ探し回ろうともその姿を見せないライオン。そして、次々とトムの仲間を血祭りに上げていく。ライオンの異常さよりも、緻密な計算により仕掛けを作り込む場面が衝撃的だ。

■ストーリー

あるクリスマスイブ、“ライオン”と呼ばれる爆弾魔を三年間追い続けていた捜査官トムは、ついにライオンを包囲したという家に踏み込む。だがそこにいたのは、爆薬を仕掛けられたトムの最愛の妻だった――。ライオンは携帯電話でトムに究極の選択を迫る。一般市民を含む10名を吹っ飛ばすか、妻を撃つか。4分に満たないタイムリミットの中、トムは答えを出さざるを得なかった。

八年後、トラウマと悔恨でボロボロの捜査官トムの前にFBIのイザベルが現れる。ライオンが再び捜査線上に浮上したのだ。FBIに復帰したトムを待っていたのはライオンによる連続爆破だった! 狂気の爆弾魔は常に極悪非道な究極の選択でターゲットを追いつめ、高度な爆発技術と変装を駆使して、一般市民のみならず、トムの大切な人々を次々に血祭りに上げてゆく!ライオンの目的とは何か? やがて上院議員が狙われているということが判明するが!

■感想
爆弾魔のライオンは人質を取りながら相手を脅迫し、自分の思い通りに物事をすすめようとする。手始めにはトムが妻を自分の手で殺さなければならない状況へと追い込む。普通の映画作品ならば、無慈悲な結末とはならず、すんでのところでトムが妻を助け出すというのが定番だが、本作ではそうはならない。

その他には、テレビで放送されているその場で、爆弾を爆発させる。何かしらライオンの仕掛けを妨害するような行動をとるのだが、すべてがうまくいかない。トムの無力感よりもライオンの残酷さが際立つ場面だ。

ごく普通のおじさんであるライオンが、秘密基地で爆弾を作り続ける。そして、様々な仕掛けでアメリカ中を恐怖に陥れる。トムとイザベラがどれだけ行動を起こしたとしても、ライオンを逮捕どころか、その手がかりすらつかむことができない。

ライオンの脅迫は徹底している。爆弾があちこちに仕掛けられたビルから逃げ出さないよう、複数の出口にスナイパーを配置するほど徹底している。強烈なインパクトのあるライオンだが、見た目が普通のおじさんだからこそ、より恐怖感は倍増する。

ラストはライオンの仕掛けのさらに上をいくトムの仕掛けがある。すべてにおいてライオンにしてやられてきたトムたちの最後の逆襲というところか。自分が心から大事にしているものを人質にとるライオンの手法は戦慄だ。

すべてがライオンの思い通りにいくと思わせておきながら、トムの機転によりライオンは最後を迎える。結局のところ、トムよりも悪役であるライオンの無慈悲さばかりが印象に残る作品であることは間違いない。

セオリーよりも残酷な展開となるのが本作の売りなのだろうか。



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