男子高校生の日常


 2016.8.25      女子を極度に恐れる男子たち 【男子高校生の日常】

                     
男子高校生の日常 グダグダ・エディション【Blu-ray】 [ 菅田将暉 ]

■ヒトコト感想
まさに究極のくだらなさがある。男子校では女子に関する興味が共学よりも増大するというのはわかる。本作の男子高校生たちは、自分たちの身近に同年代の女子がいっさい存在しない場所で生活しているようにすら思えてくる。例えるなら地球人が今まで見たことのない未知の宇宙人と遭遇したような感じだろうか。

非常に興味はあるが、近寄りがたい。話かけられると必要以上にビクビクし、目を反らす。が、近づきたい。矛盾した感情が表現されている。男子高校生たちのオドオド感はわかる気がする。対して女子たちが男たちをガキ扱いし、バカにしているのも面白い。キラキラ女子が来襲してくれば、純朴な男子高校生が恐怖を感じるのは当然だろう。

■ストーリー

タダクニ(菅田将暉)、ヨシタケ(野村周平)、ヒデノリ(吉沢 亮)は、男子校に通う仲良し三人組。いつもタダクニの部屋に集まって、妹のスカートを穿いてみたり、マンガを読んだりとくだらな~く日々を過ごしている。ある日、女子高と文化祭を共催する事となり、冴えない毎日が急展開! グダグダ男子校にキラキラ女子が襲来し、勘違いな恋愛騒動も勃発・・・

■感想
男子校に通う仲良し三人組。典型的なバカ男子たちだ。女に興味はあるが恐怖もある。タダクニの部屋でダラダラしながらタダクニの妹のスカートを履く。男子のバカさ加減がこれでもかと表現されている。そして、男子校の内部ではその兆候はさらに強まる。

文化祭の準備で女子高生がやってくると、そこはまさに戦場となる。女子がいるというだけで騒ぎ出す。良い意味での騒ぎではなく、恐怖に近い感覚なのだろう。本来ならいるはずのない者の存在に驚愕する男子高生たち。

バカ男子たちの意味不明な行動は秀逸だ。女子が使うトイレを必要以上に華やかにしたり、女子が少しでも話かけると、途端にロボットのように固まる。女子を必要以上に恐怖し、少し話しかけられ、呼び出されただけで驚愕する。

神聖視されすぎた存在というのは、時に恐怖を生み出すということなのだろう。男子に対して女子たちは男子をガキ扱いしバカにする。カチコチに固まる男子は確かにバカっぽい。言動のひとつひとつが笑えてくる。すでに女子たちからすれば眼中にないのだが、それすら気づかない哀れな男子たち。

普通の男子高校生でここまで女子に恐れをいだくことがあるのか。日常で同年代の女性を見たことがない、刑務所のような場所で生活しているのでは?なんてことすら思ってしまう。女子への興味が究極に高まると、恐怖をいだいてしまうというのはなんとなくわかる。

極度の緊張が不自然な動作となるのもわかる。それをデフォルメし、なんともバカっぽい行動として描いた作品だ。共感はできないが、極端な男子たちの行動を見ていると楽しくなる。女子たちの颯爽とした雰囲気も男子のバカさを強調している。

こんな男子たちの日常は、これはこれで楽しそうだ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp