大脱出


 2017.1.9      難攻不落の監獄から脱出せよ 【大脱出】

                     


■ヒトコト感想
シュワちゃんとスタローンががっつり共演する本作。「エクスペンダブルズ」などで共演はあったが、本作ではコンビとして活躍している。スタローンがセキュリティコンサルタントのブレスリンを演じ、シュワちゃんは監獄の囚人を演じる。ブレスリンはどんな強固な監獄でも、緻密な観察と脱出計画により脱獄してしまう。

セキュリティの専門家として既存の監獄の穴を証明するために自ら囚人となり脱獄するというのが面白い。ブレスリンへの次なる依頼は、墓場と呼ばれた監獄だ。ブレスリンと監獄の所長の駆け引きや、囚人たちと協力して脱獄するまでの流れがすばらしい。所長が絵に書いたような知的で残酷なキャラだというのも良い。

■ストーリー
世界中の重犯罪者たちから恐れられ、“墓場"と異名を取るそのタンカーは、一度入れば二度と出ることが出来ない巨大な監獄。この船にある男が投獄されてきた。男の名はブレスリン(シルベスター・スタローン)。世界屈指のセキュリティ・コンサルタント=脱獄のプロだ。

何者かの手によって拉致され、犯罪者の汚名を着せられたブレスリンは、自分を罠にかけた組織の陰謀を暴くため、自ら設計に関わった絶対攻略不可能なこの監獄の脱出計画を練り始める。

■感想
スタローンとシュワちゃんという還暦すぎたふたりの肉体派の競演。セキュリティスペシャリストをスタローンが演じ、囚人のボス的存在をシュワちゃんが演じる。スタローンの役は知的で肉体派でわかりやすい。対して、シュワちゃんの役は何か秘密があるような雰囲気がある。

セキュリティの専門家が自ら脱獄し、その監獄のセキュリティの穴を証明する。その脱獄方法は看守たちの視線が切れるわずかな隙をついたり、ちょっとした自然現象を利用したりと、非常に緻密で面白い。この脱獄までのプロセスが本作の肝だろう。

最強の監獄に送り込まれたブレスリン。そこはまさに完璧な監獄だった。まず、囚人たちが過ごす個室が全面ガラス張りで、常に監視されている状態がすさまじい。懲罰房だけが唯一の脱出する可能性がある場所として、ブレスリンはあえて騒ぎを起こす。

序盤では結局どうにかしてブレスリンは脱獄するのだろう、と思っていた。が、監獄の外にでたブレスリンが絶望的な表情となる。どこかの田舎にあると思われた監獄が、実は巨大な戦艦で海の真上だということだ。この衝撃は一気に観衆の興味を惹きつけるだろう。

監獄の所長が知的で冷酷非道で有無を言わさぬ迫力がある。自分の意に沿わない場合は、部下であろうとあっさり切り捨てる。囚人との交渉においても常に主導権を握り、相手を追い詰めていく。この所長の悪役具合がすさまじいため、ブレスリンたちが脱獄することの困難さを増大させている。

ラストはお決まりどおりスタローンとシュワちゃんの激しいアクションが繰り広げられる。このふたりがコンビを組むのならば銃撃戦は外せないだろう。

脱出までのプロセスがすばらしい。



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