コップ・カー


 2017.11.20      少年たちの危険すぎる冒険 【コップ・カー】

                     
COP CAR/コップ・カー
評価:3.5

■ヒトコト感想
ケビンベーコンがとんでもなく良い味をだしている。基本は家出少年ふたりが、放置されているパトカーに乗り込み、それを追いかける悪徳保安官の物語だ。少年たちが下品な言葉を口にしながら冒険をする。さながらスタンドバイミー的なイメージだろうか。

悪徳保安官の悪具合と、子供たちの無邪気な行動。そして、さまざまなタイミングが重なり…、パトカーを奪われた保安官の慌て具合が良い。そして子供たちを見つけた瞬間のなんとも言えないニヤケタ表情。家に麻薬を隠しもち、ギャングをリンチし死体を森に捨てるような悪には見えない笑顔だ。少年たちのちょっとした冒険にしては、大きすぎる代償を払うことになる。

■ストーリー
家出中の少年ふたりが、荒野で偶然みつけた一台のパトカー。悪戯に車を走らせはしゃぐふたりだが、それは絶対に手を出してはいけないパトカーだった……。彼らがトランクの中身に気づいたとき、謎の悪徳保安官(ケヴィン・ベーコン)による恐ろしい追跡劇が幕を開ける!

■感想
少年ふたりが荒野に放置されたパトカーを見つけ乗り回す。それは悪徳保安官が死体を処理するために一時的に止めていたパトカーだった。何も知らず無邪気な少年たちがパトカーを運転するシーンは良い。

まるで冒険に出かけるような勇ましさや、運転を変わる際にオートマで止まらないので動かしながら交代するなど、子供らしい場面が多々ある。無駄にサイレンを鳴らすなんてのは最高だ。後部座席には銃器があり、トランクにはひっそりとリンチされたマフィアがいるパトカーだと知らずに。

悪徳保安官の必死さもすばらしい。車を盗むため靴ひもでドアロックを開けようとしたり、無線の周波数を変え子供たちに語りかけたり。ケビンベーコンが、無口だが表情からありありと焦りの色がわかる悪徳保安官を好演している。

家に帰れば焦りながら隠し持つ麻薬をトイレに流し、ニセのパスポートと金塊を持ってトラックに乗り込む。明らかにやらかした者が街を出ようとする場面だ。そして、パトカーを見つけた際の表情が最高だ。子供たちに対して語りかける言葉もまたすばらしい。

非常に手に汗握る展開だ。子供たちが偶然トランクを開けたことで、マフィアが絡んでくる。悪徳保安官、マフィア、子供たちふたり、偶然立寄ったおばさん、という5人の緊迫感あふれる場面はまさに本作のピークだろう。

少年たちの冒険は、ひょんなことから終わりを迎える。頼りなくオドオドしていた少年が、仲間のピンチを知るとそこから見違えるように変身するのも良い。ラストはどようなオチとなるのかは想像するしかない。

低予算映画ではあるが、場面の強弱がすばらしい。



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