ブルドック


 2017.2.11      究極の怒りの先には冷静がある 【ブルドック】

                     
評価:3

■ヒトコト感想
ロスの凄腕麻薬捜査官ショーンの復讐物語だ。ショーンは巨大麻薬組織のルセロを逮捕することに成功したのだが、何者かに妻を殺されてしまう。ルセロを疑うショーンだが、実は新たな巨大麻薬組織ができあがり、そのボスであるディアボロがすべてを仕組んでいた。怒り狂うショーンと正体不明のディアボロ。我を忘れ、復讐の鬼となるショーン。

ショーンの激しいアクションと怒りのパワーはすさまじい。また、ディアボロ周辺でいつまでたってもディアボロの正体がわからない部分は恐ろしさを引き立たせている。きっちりと頭をそっていたショーンが、妻の死から無精ひげと短い坊主頭状態となる。そして、復讐を達成する直前には、きっちりと頭が剃られている。ショーンの心象が身なりにそのまま現れている。

■ストーリー
愛する妻の命を奪われ、激しい怒り、喪失感と戦いながら復讐へと突き進んでいく、ロスの凄腕麻薬捜査官を描いた作品。

■感想
麻薬捜査官のショーンは、メキシコに乗り込み巨大麻薬組織のボスであるルセロを逮捕する。大手柄のショーンが、家に帰り着き妻と幸せなひと時を過ごしたのだが…。何者かに襲われ、ショーンは怪我を負い、妻は殺される。復讐の鬼となったショーンが暴れまわる。

ショーンの怒りのすさまじさが強烈に伝わってくる。が、アクションの激しさよりもドラマに重点が置かれている。ルセロとの駆け引きから始まり、誰が妻を殺したのかを調査する。ショーンの怒りは頂点に達してはいるが、終始無表情のショーンがより恐ろしさを増大させている。

ルセロに代わり麻薬組織を牛耳るディアボロ。このディアボロが正体不明で恐ろしくなる。対立していたルセロの家族を殺す。そして、ショーンとルセロが協力してディアボロを倒そうとする。ショーンの怒りとルセロの怒りが融合する形で復讐がすすむのだが…。

この流れが後に強烈なインパクトとして跳ね返ってくる。ショーンが仲間と共にディアボロのアジトを探そうとする。その過程で怪しいと思われる者たちには、これでもかと攻撃を加える。この容赦なさが良いのだろう。

ディアボロの正体は衝撃的だ。軍隊のような装備を持ち麻薬組織として巨大化の一途をたどるディアボロの組織。その正体を暴くのはショーンである。ディアボロの正体はまさかの人物であり、ショーンの妻を殺された怒りの気持ちが激しく増大していくのを感じてしまう。

そして、その怒りをディアボロにぶつけるかと思いきや…。そこまでの激しい怒りや銃撃戦から一転して、ものすごく大人の対応をしている。ディアボロへの復讐よりも、ディアボロの逮捕を選んだのは意外だ。

ディアボロの正体が判明するまでがピークだ。



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