2017.8.13 神出鬼没の復讐者 【バレッツ】
バレッツ 22 BULLETS
評価:3
■ヒトコト感想
マフィアのボスだった男が、平穏な生活を取り戻すため引退をしたのだが、正体不明の男7人に襲われることになる。元マフィアのボスであるシャルリが、自分が襲われたことについては、ある程度諦めつつ、襲った相手が昔の仲間だと分かっても復讐しようとはしない。平穏な生活を取り戻すことを第一に考えたシャルリだが…。
同じく平穏な生活を求める仲間が拷問の末殺されたと知ると、そこからは鬼になる。シャルリの復讐はすさまじい。最初に今から復讐するからと相手に分からせ、復讐される恐怖を味あわせながらの行動となる。相手に反撃される恐れはあるが、そんなことは気にしない。神出鬼没なシャルリの行動の恐ろしさもあるが、なにより敵のボスクラスの人材が、容赦ない悪だというのも良い。
■ストーリー
かつてマルセイユの街を支配するマフィアのボスだったシャルリ。現在は愛する家族と平穏な生活を送っていた。しかしその幸せは、正体不明の7人組に銃撃され突然奪われてしまう。シャルリは全身に22発もの銃弾を撃ち込まれ、生死をさまようが奇跡的に一命を取り留める。引退後も彼を慕うカリムら3人の仲間たちが犯人を突き止めると、それは、「死んでも友達」と誓い合った少年のころから親友ザッキアが黒幕だった。
復讐しようとするカリム達に「報復が戦争となり、一生引退できなくなる。足を洗うと家族に誓った」とシャルリは制止する。しかしその選択が、カリムの死に至らしめ、更に愛する家族までを危険にさらすことになってしまう。そして遂に息子が誘拐された時、シャルリは決意を胸に立ちあがるー。
■感想
まずシャルリを襲った男たちに強烈なインパクトがある。特にボス的な男の容赦のない暴力がすさまじい。少しでも気に入らないことがあると部下にもあっさりと銃弾を撃ちこむ。皆が周りで恐怖によりピリピリしているのを知りながら、あえて部下のひとりの口の中に拳銃を突っ込む。
この恐怖で支配する感覚は悪として申し分ない。そんな悪の組織に狙われたシャルリ。地下の駐車場で車に乗ろうとすると、男たちに銃弾の雨を浴びせられる。パッと見は明らかに死んでいるようだが、生きているというのがなんとも不思議な場面だ。
シャルリの仲間が襲った相手を探しだし、判明したとしてもシャルリは復讐しようとしない。家族と共に平穏に暮らすことを第一に考えるため、あえて復讐の連鎖を断ち切るように、シャルリは何もしないことを選択する。そこで終われば良いのだが、敵の組織はシャルリを殺そうとし、さらにはシャルリの仲間を拷問の上殺してしまう。
自分よりも仲間が殺されたことに激怒するシャルリ。そこからシャルリの復讐の行動が始まる。すさまじいのは、敵組織の幹部たちが集まっている場に乗り込み、ひとりひとりに復讐すると告げる場面だ。そこで全員を殺すのではなく、家族に別れを言うチャンスを与える。ある意味、敵の反撃にあう可能性のある宣戦布告だ。
シャルリの復讐は最後に敵のボスにたどりつく。ここでボスと復讐の連鎖について話し合ったりもする。一度マフィアのボスになってしまうと、例え本人が引退したと言っても、周りはその影響力を恐れる場合がある。
本人の意志は無視され、可能性のある脅威を排除しようとする世界。そのため、シャルリの思いはいっさい汲まれることなく、勝手にターゲットにされてしまう。そのターゲットはシャルリだけでなく家族全員にまでおよぶというのがマフィアの恐ろしいところだ。
仲間を殺された際のシャルリの切れっぷりはすさまじい。
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