ブラザーサンタ


 2016.2.20      サンタの兄の苦悩 【ブラザーサンタ】

                     
ブラザーサンタ 【DVD】

■ヒトコト感想
優秀な弟をもつ兄の苦悩を、弟がサンタクロースということに置きかえて描いている。詐欺をはたらき留置所入りするような兄フレッド。完璧なサンタの弟ニコラス。サンタを現実的な仕事として描き、その兄が、サンタを弟にもつことの苦労を面白おかしく描く。フレッドがろくでもない兄で、弟に金をせびり恋人との約束もすっぽかす。

北極で子供たちのプレゼントを作り、子供たちを良い子と悪い子に分別してプレゼントを贈るか贈らないかを決める。ひどく現実的なサンタを描き、その先にあるのは兄と弟のちょっとした対立だ。弟がサンタだと言っても誰も信じない。それゆえ、サンタを弟に持つ苦労は誰もわからない。非現実的だが、サンタの拠点が北極というのは妙な説得力がある。

■ストーリー

聖人のように完璧な“サンタクロース”の弟ニコラスとは大違いで、詐欺まがいの資金調達をし留置所入りする始末の兄フレッド。そんな中、ニコラスは妻の反対を押し切り、とある条件付きでフレッドの保釈に手を貸してしまう。そんな兄思いの行動が、とんだ一大事を巻き起こそうとしていた!

■感想
サンタの家系は歳をとらないらしい。完璧なサンタであるニコラスは、ステレオタイプのサンタの風貌をしている。生まれたときから小太りというのも、サンタの資質としては必要なことなのだろう。対して兄のフレッドは普通だ。どこにでもいる不良中年男だ。

詐欺をはたらき逃げ回り、あげくの果てには警察に捕まり留置所に入れられる。兄がろくでもないと弟がしっかりするのはよくあるパターンだが、本作の場合は弟が優秀すぎるため兄が悪になったという流れだ。

ニコラスに金を借りようとするフレッド。そこでサンタの拠点である北極へ向かう。ここからが、ファンタジーの世界であるサンタがひどく現実的だという描かれ方をしている。高度に近代化されたサンタの世界。すべてがコンピュータで制御され、世界中の子供たちに良い子と悪い子のランキングをつける。

そして、子供たちが欲しがるプレゼントは、すべて北極にある工場で製造される。このあたりがむちゃくちゃなようで面白い。トナカイのソリが超高速なため、世界中へプレゼントを配る作業もなんとかなるらしい。

もしサンタがプレゼントを配れなくなったらどうなるのか。世界中の子供たちが悲しんでしまう。となると、それを代行できるのは、サンタの家系であるフレッドだけ。不慣れなフレッドがリーダーシップをとり、周りを鼓舞してプレゼントを配る。

高速ですすむトナカイのソリは、まるでジェットコースターのようだ。悪だったフレッドが回心したのには理由がある。そして、悪い子にもプレゼントは必要で、悪い子はすぐにでも良い子に変わる可能性がある。

サンタが北極にいるというのは理にかなっている。



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