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 2017.11.4      没個性なチンピラたちの殴り合い 【ブローバック】

                     

評価:2

■ヒトコト感想
金網で仕切られたリングで2人の男たちが肉体を駆使して闘う。まさにUFCのような感じだ。組織を代表する格闘家が戦う。この手の作品の面白さのポイントは、格闘家たちの個性につきるのだが…。本作では肝心の格闘家にまったく個性がない。異種格闘技戦のような雰囲気はあるが、どんな流派だとか、ジャンルはなにかというのはない。

ただ、肉体派な男たちが殴り蹴り合うだけ。そこに特別な面白さはなく、特殊な強さを持つ男も、なんだか中国拳法をミックスしたような個性となっている。強者同士の戦いにしては、その強者のエピソードがほぼないので、感情移入しずらい。刑務所からでてきた凶暴な男も、なんだかよくわからないが強いということになっている。

■ストーリー
闇の組織に属する2人の男が繰り広げるバトルを描いたハード・アクション!大都市を牛耳る秘密組織。彼らは毎年行われるトーナメントで多額の利益を得ていた。そのトーナメントとは、名うてのファイター達が闘う問答無用の格闘バトル。組織のボスであるウォーレンは、2人の反目しあう側近、ミックとマーティンに、互いに最強のファイターを擁立するように命じるが…。

■感想
闇の組織内部で繰り広げられる格闘技大会。組織を代表するファイターたちが、圧倒的な格闘能力をアピールする。組織で対立するミックとマーティンがそれぞれ自分たちの代理としてファイターを選び、戦わせる。

お決まりどおりここで強烈な個性のキャラが登場するかと思いきや…。でてきたのは刑務所から出所した凶暴な男と、よくわからない拳法を使う男だ。どちらも強者だというエピソードが弱く、どちらが強いか?というワクワクした感じはない。

どうにも全体的に個性がない。ミックにしても元ファイターとして見た目の筋肉はすごいが、その強さの根拠が不明だ。将来有望なファイターが刑務所でたての凶暴な男にやられてしまう。そのやられ方もなんだかぱっとしない。

ゼンという強者にしても、まず見た目からインパクトが弱い。何か特殊な強さがあるのかと思いきや、エセ拳法風な流れが続くことになる。組織内部でのしょぼい対決は、バタバタとしながら終わる。ミックとマーティンの因縁もなんだかぱっとしない。

格闘メインなのか、それとも組織内の対立がメインなのか。恐らく前者がメインなのだろうが、それにしてはでてくる格闘家のキャラが弱い。格闘技のジャンルの違いは皆無で、皆が同じように殴る蹴るをくりかえすだけ。

柔道や寝技、総合格闘家のような個性がないので、そのへんにいるチンピラたちの殴り合いに見えてしまう。得体の知れないキャラがひとりでもいれば、そこから盛り上がるのだが…。バトル映画としては致命的な個性の無さだろう。

ひさしぶりにこのレベルの作品を見た。



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