2015.6.22 アメリカらしい映画だ 【バトル・シップ】
■ヒトコト感想
アメリカらしい映画だ。単純明快。エイリアンに攻められ、日米の海軍が協力してエイリアンを排除する。お決まり通り、素行は悪いが実行力のあるヒーローが周りを引っ張る。ラストはスクラップ間近の軍艦を、元海兵隊員の老人たちの協力により動かし、一発逆転でエイリアンたちを退治する。地球の危機をわずかなヒーローたちで救うという、なんともハリウッドらしいわかりやすい展開だ。
エイリアンたちの目的は何なのか?そもそも最初に地球人が攻撃しなければ、平和的な解決ができたのでは?なんてことは考えてはならない。エイリアン=悪い奴ら、というわかりやすい図式から外れてはならない。映像のインパクトですべてを飲み込ませるような作品だ。
■ストーリー
ある日、ハワイ沖にアメリカや日本をはじめ各国の軍艦が集結し、大規模な合同軍事演習が行われようとしていた。血気盛んな米海軍の新人将校アレックスは、日本から参加した自衛艦艦長のナガタに激しいライバル心をむき出しにする。そんな中、演習海域に正体不明の巨大な物体が出現する。
さっそくアレックスの乗る駆逐艦とナガタの自衛艦、それにアレックスの兄ストーンが艦長を務めるサンプソン号の3隻が偵察に向かう。ところがその正体は、地球に飛来したエイリアンの母船だった。やがて母船は巨大なバリアを築き、人類はそこに閉じ込められた3隻以外に反撃の手段を失ってしまうのだった。
■感想
冒頭の流れは良い。血気盛んなアレックスは好き勝手に暴れまわるが、兄にいさめられ米海軍へ入ることになる。そこでもアレックスの振る舞いは治まることはない。日本人の自衛官ナガタとして浅野忠信が登場し、アレックスとやりあう。
単純明快というか筋肉バカというか、この勢いだけですべてを済ませてしまうような流れは良い。最初の雰囲気からエイリアン来襲まではすばらしい。エイリアンの正体不明感や映像としてのインパクトにより、観衆を惹きつける力はある。
エイリアンが日米の海軍を攻撃し始めてからは、ひたすら激しい戦いの描写が続くことになる。地球よりも文明がはるかに発達したと思われるところから来たにしては、普通に米軍が攻撃するとエイリアンの船が破壊されたりと、見た目のインパクトほどエイリアンたちは強力ではないのでは?と思えてくる。
激しい戦いが繰り広げられると、お決まり通りやられていく米軍たち。残ったのはアレックスの船とナガタの船だけ。あえて限定された戦いの場所を作り上げ、そこだけの戦いに焦点をしぼる。世界を救うには小規模すぎる戦いだ。
ラストはスクラップ間近の戦艦を利用し、元海兵隊の老人たちを率いて戦いに挑む。これぞザ・アメリカといった感じの流れだ。地球を守るために命を懸けて戦う者たち。皆、家族がいながら、地球を救うために命を投げ出す。ヒーロー崇拝の国アメリカらしい作品だ。
映像のインパクトでごまかされてはいるが、かなりつっこみどころはある。ガシャガシャとしたメカニカルなエイリアンの戦艦はかっこよい。攻撃方法も特殊で、ロボットアニメ世代にはたまらない映像の数々だ。
映像のインパクトですべてをごまかせる力はある。
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