2018.1.29 脚本家を目指す者の厳しい現実 【ばしゃ馬さんとビッグマウス】
評価:2.5
■ヒトコト感想
シナリオライターを目指すが、芽がでずくすぶっているみち代。いつの間にか30を越えたのだが、それでも諦めずにばしゃ馬のようにシナリオを書き続ける。同じシナリオスクールに参加する天童は、自分はコンクールに応募すればすぐに大賞をとれると豪語する。
みち代は知り合いがシナリオライターとして成功するのを尻目に、シナリオライターに自信をなくしかけている。そして、元彼に助けを求めたりと、なんだかみち代の行動というのは、弱さにあふれている。天童についても、ビッグマウスばかりでむかつく存在であることは間違いない。この手の流れでは、最終的にどちらかがシナリオライターとして成功するかと思いきや…。最終的にそのまま終わっている。
■ストーリー
学生時代からシナリオライターを目指しているが、なかなか芽の出ない馬淵みち代(麻生久美子)は、友人のマツモトキヨコ(山田真歩)を誘って社会人コースのシナリオスクールに通うことに。そこで出会ったのは、超自信過剰な年下男の天童義美(安田章大)。
根拠のない自信で"ビッグマウス"を吐きまくる天童を毛嫌いする馬淵だったが、なんと天童は"ばしゃ馬"のようにシナリオを書き続ける馬淵に恋をしてしまう!
お洒落も恋愛もそっちのけでシナリオライターになる夢しか頭にない馬淵、突然の恋をきっかけに自分を見つめペンをとる天童。反発しあっていた2人の距離は徐々に縮まるけれど・・・・。天童の片思いは実るのか?馬淵の長年の夢は叶うのか?
■感想
みち代はシナリオライターを目指すため、ひたすらシナリオを書き続けている。それでも芽がでずくすぶっている。夢を諦めきれずに、シナリオスクールに通い、どうにかして夢をつかみとろうと必死になる。みち代の必死さはすさまじい。
映画監督と名のつく人がいれば、すぐにお近づきになろうとする。どんな些細なきっかけでも自分が脚本家として成功するために、すさまじい執念をみせている。あげくのはてには、元彼が勤務する介護施設でボランティアをし、介護施設をテーマとしたシナリオを書こうとする。
みち代と同じシナリオスクールに通う天童は、自分は天才だとビッグマウスを吐きまくる。ひとつもシナリオを書かないのにビッグマウスを吐く天童の態度に、みち代は苛立ちを見せる。そのため、最初はみち代と天童の仲は悪いのだが…。
天童はみち代に恋心をいだいている。みち代は元彼と仲良くなることを希望している。ただ、ふたりの前には厳しい現実が立ちはだかる。天童はコンテストの一次審査にも落選し、意気消沈している。みち代は元彼から辛い現実を告げられる。
この手の作品では、シナリオ作成に本気になり、最終的には見事成果がでるというのがパターンだが…。夢を諦めるのか、それともそのまま夢を追い続けるのか。ラストの場面では、コンクールの表彰式となり、そこを歩くみち代の姿が映されている。
となると、みち代はシナリオライターとしての道を歩みはじめたのかと思いきや…。結局のところ、そうはうまくいかない。夢を追い求めて上京した女が、夢を諦める。それでもラストは暗い展開とならずに、しっかりと明るく前向きな流れとなっているのが良い。
ばしゃ馬のようにシナリオを書くという表現が良い。
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