バレット


 2016.9.19      スタローンの潔い悪役っぷり 【バレット】

                     


■ヒトコト感想
殺し屋ジミーをシルレベスター・スタローンが演じているのだが…。すでに60歳を超えているにも関わらず、相変わらずの筋肉だ。なんらかのドーピングをしなければ保てない筋肉だろう。そんなスタローンが気持ちいいほど潔い殺し屋を演じている。相棒を殺されたからと復讐の鬼になるジミー。次々と仇を殺していく。その途中で刑事のテイラーと行動を共にすることになるのだが…。

テイラーがじっくりと尋問している途中で、あっさりと撃ち殺してしまう。裏社会の恐怖というか、ドライに金がすべてのような動きをするジミー。仇の雇い主であっても金で雇われれば言うことを聞く。到底、正義の主人公ではない。が、潔い悪役っぷりにはいつのまにか感動してしまう。

■ストーリー
長年にわたり、殺し屋として裏社会を生きてきたジミー(シルベスター・スタローン)。依頼された簡単な仕事を相棒ルイス(ジョン・セダ)とこなすが、その後キーガン(ジェイソン・モモア)に襲われ、相棒が殺されてしまう。キーガンに復讐するため、ジミーは敵でもある刑事のテイラー(サン・カン)と手を組むことに。掟破りのコンビは、ジミーの娘リサ(サラ・シャリ)を巻き込みキーガンの元に辿り着くが…。

■感想
ジミーの悪役っぷりがすさまじい。金で雇われて悪人を殺す殺し屋。相棒を殺された仇を討つために動き出す。それにしてもスタローンはどれだけ歳をとったとしても、あの肉体は変わらないのだろう。筋肉が盛り上がり、血管が浮き出る。

敵から「あの筋肉バカをなんとかしろ!」と言われるが、確かにそうだ。テイラーが冷静に事態を鎮めようとしても、ジミーが一発相手の眉間に銃弾を撃ち込んで終わり。なんだかむちゃくちゃだが、終始一貫してむちゃくちゃなので、ぶれることがない。

ジミーの唯一のウィークポイントは娘であるリサの存在だ。リサを人質にとられると、途端にあたふたし始める。あれほど強きでなんでもありな男が、娘に関しては普通の男となってしまう。娘を人質にとった相手の言いなりとなり、あげくの果てにはテイラー殺害の依頼を受ける。

ジミーがすさまじいのは金次第でなんでもやってしまうということだ。ジミーの相棒を殺した傭兵の方が、まだ殺し屋としてのプライドがあるように思えてしまう。ラストはジミーと傭兵の激しい肉弾戦となる。

筋肉バカは、なぜか周りに恵まれ捕まらずにすんでしまう。そして、筋肉バカのままバーで持ち込んだ「バレット」を飲む。殺し屋として有名にも関わらず街中をふらふら歩いていたり、なぜかテイラーと腐れ縁になったりと、ご都合主義的な流れが続く。

それでもジミーの圧倒的な悪役具合にしびれてしまう。これが中途半端に正義感をふりかざすようなキャラであれば、駄作となっていただろう。スタローンは傍若無人な悪役が良く似合う。それが60歳になっても変わらないというのはすごいことだ。

スタローンだからこそ成立する作品だろう。



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