バンディッツ


 2017.6.22      予想外のオチが良い 【バンディッツ】

                     
バンディッツ 特別編■監督:バリー・レヴィンソン
評価:3

■ヒトコト感想
冒頭から、ジョーとテリーの二人が銀行後藤の最中に仲間割れをする場面から始まる。女に裏切られたと騒ぎ、周りは警察に取り囲まれている。そして、ニュースではジョーとテリーの二人は仲間割れの末死んだと報道される。そこから、過去から現在にさかのぼる形で物語はすすんでいく。ジョーとテリーのキャラクターが良い。

二人で銀行強盗をしながら、途中で精神的に不安定な女ケイトを仲間にする。ケイト、ジョー、テリーの三角関係がありながらドタバタが続く。ただ、結末を知っているだけに、この二人が死んで終わりか…。という思いで見ていたが、ラストで大きな仕掛けがある。これをしたいがために、今まで積み重ねてきたのだろう。

■ストーリー
オレゴンの刑務所に服役中のジョー・ブレークは、そこで自分とはまるで性格の違う男テリーに興味を持つ。行動派のジョーに対して、ちょっと思慮深すぎる傾向のテリー。次第に奇妙な友情を感じ始めた二人はある日、まんまと脱獄に成功。

郊外までやってきた二人はそのまま見ず知らずの家に上がりこみ平然と居座る。翌日から、さっそく銀行強盗を開始する二人。その見事な手口は全米中の注目の的となる。そんなある日、平凡な毎日に嫌気がさしていた主婦ケイトが、ひょんなことから二人の仲間に加わり…??

■感想
ジョーとテリーは銀行強盗に入るが、女が裏切り死ぬ運命にある。そんな未来を知った状態で観衆はふたりの物語を見ることになる。ジョーとテリーが刑務所から脱出し、ふたりでバタバタしながらの逃避行は面白い。

道中で夫に相手にされず精神的に不安定になったケイトが加わり、銀行強盗を企てる。その過程で女1人、男2人となると、三角関係が勃発する。いつのまにかケイトがふたりに同調し、すすんで銀行強盗に加担しているのが面白い。そして、ニュースではケイトがジョーたちに誘拐されたと報道される。

ドタバタありながらも、なんだか楽しそうな3人。そこでスタントマンが加わり、なんだか本格的にデカい銀行を襲う相談をする。そこから冒頭の場面に繋がるのだが…。そこまでシリアスな物語ではなく、ジョーとテリーは、どちらかと言えばコメディチックなやりとりすら見せている。

それが、ケイトの裏切りにより銀行強盗に失敗し、仲間割れをして殺し合う。そんな結末にしては、その雰囲気がない。オチは想定できない方向へと動いていく。このオチを効果的にするために、冒頭のやりとりがあったのだろう。

ラストの展開は爽快だ。ひとつのオチを想定させつつ、別の結末を用意している。観衆は不幸な結末を想像してみていたところ、想像外の展開となる。まんまと騙されたということだろう。これは、銀行を取り囲んでいる警察や報道陣たちが騙されたのと同様のことなのだろう。

強烈なインパクトはないが、ラストのオチの流れが無ければ平凡な作品だっただろう。ミステリーというよりも、驚きの展開を演出するのがうまい。序盤に想定した最悪の結末から、一気に明るいラストに様変わりしたのは爽快感にあふれている。

ラストの仕掛けは良い。



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