あしたのパスタはアルデンテ


 2017.10.17      ゲイをカミングアウトしたい兄弟 【あしたのパスタはアルデンテ】

                     
あしたのパスタはアルデンテ  アルデンテな男たち
評価:3

■ヒトコト感想
自分がゲイであることを家族に隠しているトンマーゾ。兄のアントニオと共に親族で経営する工場を引継ぐ話となるのだが、その場でゲイであること家族にカミングアウトすると考える。兄に相談し、決意するのだが…。家族の前で先にカミングアウトしたのは兄だった。なんともしょっぱなから衝撃的な展開だ。

父親は怒り狂い、母は悲しみ、皆は唖然とする。そして、恋人の元へ去るアントニオ。残された工場はトンマーゾと従妹が経営することに。兄に相談したことにより、先を越されてしまったトンマーゾ。今更兄弟ともにゲイでしたなんて言えない苦悩がすばらしい。そして、最後の最後には、みながそれぞれ心に強く思うことを実行して終わることになる。

■ストーリー
愛、セクシュアリティ、死、家族の絆をストレートにカラフルに繊細に描く、名匠フェルザン・オズペテク監督作。ローマに住む作家志望の青年トンマーゾは南イタリアで老舗パスタ会社を営むカントーネ家の次男。兄アントニオの新社長就任で共同経営者と一族の晩餐会が開かれる。トンマーゾはディナーの席で、家族に黙っていた3つの秘密を告白しようと決心するが―。

■感想
皆が本当にやりたいことを我慢し、自分を抑えながら日々を生活している。常識にとらわれた世界では、ちょっと外れたことを行うのは、かなり批判を受ける。同性愛をカミングアウトできないトンマーゾの苦悩と、息子が同性愛だと知ると、まるでやっかいな病気のように扱う両親。

いずれは治るのでは?と考えることがおかしい。同性愛を個性として受け入れることは確かに難しいかもしれない。兄に先を越され自分が同性愛だと言い出せないトンマーゾの苦悩が描かれている。

気難しい父親は、町の評判を気にする。跡取りであるはずの兄がゲイとわかり家をでていく。父親としては受け入れがたいことであり、怒り心頭となる。すべての期待を一心に背負うことになったトンマーゾは従妹と工場経営にのりだすのだが…。

従弟がほのかにトンマーゾに恋心を抱くのが良い。ロンドンからゲイの仲間たちがやってきた際もひとりだけ美しい女性が混じっているが、そこには恋に発展しそうな雰囲気はない。従妹が美しく、トンマージの仲間もたくましくカッコいいが、決して恋におちることはない。

ラストの場面は強烈だ。今まで隠し続けたトンマーゾは、家族会議の場でカミングアウトする。鬱屈した何かを抱えたまま日々我慢して生活することに嫌気がさした人々。それぞれが、トンマーゾの告白を機に自分の好きなことへと心を傾ける。

トンマーゾの祖母は美しく着飾り、ケーキや甘いモノに囲まれた状態でケーキをむさぼり喰う。もしかしたら甘いモノを制限されてきたのかもしれない。たとえそこで命がついえようとも、自分の欲望に対して素直に行動することの素晴らしさが描かれている。

トンマーゾたちの行動は衝撃的だ。



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