2017.1.12 あさ、ひる、ばんの個性がすごい 【あさひるばん】
■ヒトコト感想
高校球児の浅本、日留川、坂東の3人は「あさひるばん」と呼ばれ、マネージャーの幸子に恋をしていた。30年後、3人はそれぞれの生活をしていたが、そこに幸子の娘から連絡がきた。3人それぞれが成長し、個性的なキャラとなっているのが良い。浅本は小さなイベント会社を経営し、日留川はハーレーに乗ってブイブイ言わせている。坂東は刑務所に服役中で…。
成長した3人が同級生ということに違和感をもった。まず、浅本だけがかなり年上に見えた。俳優の実年齢は考慮しない配役なのだろうか。浅本などは、下手したら野球部の監督である雷蔵と同年代だと言われても違和感はない。高校球児がそのまま成長し、昔の思い出を美化したまま物語がすすんでいるのが印象的だ。
■ストーリー
高校球児だった浅本(國村隼)・日留川(板尾創路)・板東( 山寺宏一)は、その名字から「あさひるばん」と呼ばれ、マネージャーの幸子(斉藤慶子)に惚れこんでいた。甲子園出場まであと一歩のところでライバル校の選手(松平健)に打たれ、あえなく敗退してから…30年後。
3 人の元に突然、幸子の娘・有三子(桐谷美玲)から「入院中の母に会ってほしい」という手紙が届く。憧れの幸子が病気! ? しかも娘がいた! ?
父親は誰! ?故郷・宮崎に集まった3 人は、野球部の監督でもある、有三子の祖父・雷蔵(西田敏行)と対決することになるのだが… ! ?
■感想
高校球児だった3人は甲子園予選の決勝で、あと一歩のところで負けてしまう。それから30年後。バラバラになった3人の元に幸子の娘から「入院中の母に会ってほしい」と手紙が届く。30年もの歳月は、人を大きく変えるのだろう。あさひるばんの見た目が明らかに変化している。
特に浅本に関しては、日留川や坂東と同級生とは見えない。一人だけ老けている。それまでに何があったのか。3人とも独身で、坂東にいたっては刑務所に入っている。かなりの波乱万丈な人生を送ってきた3人が、故郷へ戻ることになる。
青春時代の思い出を胸に故郷の宮崎へ帰る3人。当然のことながらマドンナも歳をとりおばさんとなっている。野球部の監督であった雷蔵と幸子の親子関係に問題があり、孫の結婚式に参加しないと意地をはる雷蔵。それを懐柔するのが3人の役目なのだが…。
高校時代に恐ろしい印象のあった監督に対して、30年経ったからといって印象が変わるわけではない。当時恐ろしい監督は、30年経った今でも恐ろしいことに変わりはない。雷蔵と向かいあい、雷蔵が叫ぶと、そのたびに3人が背中を震わせる。すさまじい雷蔵の迫力だ。
ふと、自分の高校時代の恩師は、30年経っても自分のことを覚えていてくれるだろうかと思った。恐らくは忘れているだろう。となると、本作のあさひるばんはとてつもなく印象深い生徒だったのだろう。隠居したとはいえ、雷蔵のすさまじい迫力と頑固さ。
この親であれば、娘の幸子が強情になるのもよくわかる。甲子園をかけた戦いで敗れた最後のバッターが、実は大きなカギを握るなど、わりとありきたいな流れではある。が、30年経っても変わらない3人の関係というのは、妙にあこがれの気持ちをもってしまった。
単純だが、キャラの面白さで物語が成り立っている。
おしらせ
感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp