2016.3.14 ギャグ漫画の実写化は… 【荒川アンダーザブリッジ】
荒川アンダー ザ ブリッジ THE MOVIE スタンダードエディション [ 林遣都 ]
■ヒトコト感想
マンガ原作らしいがマンガは未読。荒川河川敷の再開発を依頼された御曹司のリクが、荒川河川敷に不法占拠するヘンテコな人々と暮らすという物語だ。いかにもマンガ原作らしい流れだ。自称金星人のニノや、村長はカッパであり、星や男なのにシスターの恰好をする者など、異質な人々が住んでいる。そこでリクが経験する奇妙な状況が描かれている。
本作をまじめにとらえてはいけない。奇想天外すぎて物語としては、ただただ観衆に世界観を押し付けてくる。見終わっても結局あそこに住んでいた人々はなんだったのかよくわからない。特別笑えるような場面もあるわけではない。笑わそうとしているのだろうが、かなり厳しいのは確かだ。
■ストーリー
主人公・市ノ宮行は世界のトップ企業社長の御曹司。幼い頃から父に「他人に借りを作るべからず」と教えられ、その教え通りに借りを作らずに生きてきた。
しかし、ひょんなことから溺れかけた際、荒川河川敷に住む自称金星人のニノに命を救われる。
「命の恩人」という余りに重すぎる借り。その恩返しとしてニノが行に要求したのは「私に恋をさせてくれないか?」という事だった。こうして行はニノの恋人となり、自身も橋の下で生活することになる。
荒川の橋下では常識から外れた人々がたくさん住んでいた。行は「リクルート」(通称「リク」)という名前を与えられ、橋下の住人の一人として暮らすことになる。
■感想
荒川河川敷を不法占拠する人々。ホームレスのような生活をしているわけではなく、家がありそれぞれが個性的な生活をしている。カッパが村長というのがよくわからない。そして、カッパを演じているのが小栗旬というのもよくわからない。
顔面を緑に塗り、変な被りものと眉毛をキリリと描いたメイク。カッコいいことを発言したとしても、その風貌から説得力がない。作中では素顔の小栗旬が登場し、権力をもつ者として大臣に恐れられたりもする。なんだかよくわからないが、すごいのだろう。
顔を黄色く塗り、星の被りものをするのは山田孝之だ。特殊メイクをしたとしても山田だとわかるのはすごい。星やカッパというそのキャラクターを選択した理由はわからない。他のキャラクターにしても統一感はない。あるとすれば、どこか少しズレているキャラばかりだ。
出演者は有名人ばかり。チョイ役であっても河川敷を不法占拠する者たちを演じるのは有名俳優やアイドルだ。それなりに豪華な配役ではあるが、内容がほぼ無いに等しいので、人におすすめすることはまずないだろう。
マンガ原作ということで、マンガはギャグマンガとしての面白さがあったのだろうか。ギャグ漫画を実写映画化するのは確実に鬼門だ。ギャグ漫画を実写化するところに駄作あり。出演者の豪華さで客を呼ぶにも限界がある。
本作のヒロイン役であるニノが、金星人という流れで物語はすすんでいき、最後はニノが金星に帰るというちょっとしたラブストーリー的な流れもある。ギャグで押し通すのではなく、ラブにも手をだし、さらりと物語は終了している。
原作ファンならば、見てみるのも良いかもしれない。
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