2015.2.8 アメリカ的で大雑把な事件 【アンストッパブル】
■ヒトコト感想
無人の貨物列車が暴走する。いかにもアメリカらしい、ずさんな仕事から列車が暴走する。日本では考えられないような仕事の仕方で大事件となる。列車が運転士のいない状態で動いていたら、すぐさま大騒ぎになるかと思いきや、「コースター」という隠語があるように、日常茶飯事のようだ。ただ、本作が違うのは、惰性で動いているのではなく動力をもって動いているということだ。
緊迫した状況がすばらしい。暴走列車をどのようにして止めるのか。様々なアイデアがすべて失敗し、最後にはヒーロー的扱いのふたりの男が暴走列車を止めようとする。一歩間違えれば大事故につながる出来事がアメリカらしい。そして、映画化してしまうのがすごい。
■ストーリー
操車場に停車中の貨物列車が整備員のミスによって無人のまま走り出した。全長約800メートルに及ぶこの777号は大量の化学薬品を積んでおり、時速100キロ以上で走る“巨大ミサイル"と化して人口密集地の街へ向かって突っ走っていく!
現場近くに居合わせたベテラン機関士フランクと新米車掌ウィルは、男のプライドをかけ決死の覚悟で暴走列車阻止に立ち向かうが……。
■感想
暴走する列車をどのようにして止めるのか。最初は併走し運転席に飛び乗ろうとする。当然失敗する。ニュースとなり貨物には毒物が積まれているということで、住民の避難騒ぎになる。かなり展開が早い。上の者たちの決断力はすばらしいが、それがすべて失敗するというのが皮肉に満ちている。
リアルタイムにテレビ放送される暴走列車の行方。そのきっかけを作った運転士は、顔写真までがニュースで放送される。さすがアメリカというか、なんでもありな雰囲気が良い。
暴走列車がこのまますすめば、市街地のど真ん中のカーブで脱線してしまう。市街地に行く前に強制的に脱線させることはできるのか。ことごとく作戦は失敗していく。すべてが事実にもとづいているので、どうなるかわからないが、恐らく大事故にはならないだろうと想像はつく。
それでも、どうやって止めるのか?というワクワク感は続いてくる。列車を止めようとした同僚が事故死し、一か八かの賭けをするしかない状況となる。列車の会社役員たちが、のんびりとゴルフをしているのも、ある意味象徴的だ。
ラストはアメリカらしくヒロイズムに満ちている。無事、暴走列車を止めたあとすぐに、記者会見を開きヒーローたちが盛んに自分の手柄をカメラの前で話す。そもそも事故を起こした経緯や根本原因はいろいろと問題があるようだが、大事故にならずによかったということなのだろう。
緊迫感あふれる展開はすばらしい。なんども失敗し死にそうになりながら、最後の最後で列車を止めるというのも感動的ではある。実話ということが、より緊張感を生み出している。
実話という事実が、作品を2割増しにしている。
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