あの頃ペニー・レインと


 2017.11.24      グルーピーと、彼女に恋をした男 【あの頃ペニー・レインと】

                     
あの頃ペニー レインと
評価:3.5

■ヒトコト感想
厳しい母親に育てられ優等生となったウィリアムがロックの世界に没頭しバンドのツアーにジャーナリストとして同行することになる。ブレイク間近のバンドは、ファンの女の子を喰い放題。その中のひとりのペニー・レインに瞬く間に恋をしたウィリアム。ツアーに同行するということは、すぐ近くで酒やドラックや女があふれているということ。まさにウブな童貞の15歳には悪い影響しかない。

ウィリアムは根っからの優等生なので、分別をもって行動する。ただ厳しい母親はさらに厳しいことを要求する。痛快なのはバンドのギタリストがウィリアムの母親と電話で会話する場面だ。リーダーに対して、今ならまだ人生をやり直せると説教する母親が良い。

■ストーリー
厳格な母に育てられ、セックスもドラッグも知らない優等生。そんなウィリアムが地元誌に書いた原稿がローリングストーン誌の目に留まり、フツーの15歳の生活から一転、ロックの世界に没頭してゆく。ブレイク寸前のバンドに同行取材することになったウィリアムは、グルーピーのリーダー、ペニー・レインと出会う。それは切ない恋の始まりだった・・・。

■感想
ロックバンドと言えば、長髪、酒、ドラッグ、セックスだ。それらは優等生からすると無縁のものだ。本作は優等生であるウィリアムがジャーナリストとしてロックバンドのツアーに同行する物語だ。酒と女にまみれたドロドロとした世界。

ブレイク寸前のグループは、売れてやるというギラギラした勢いがある。そして、ファンたちもいまならばとメンバーに近づいてくる。そんなグルーピーの中にペニー・レインという子がおり、ウィリアムはすぐに恋に落ちてしまう。ペニーはバンドのギタリストと付き合っていると分かっていながら。

バンドマンたちの勢いというか、売れるために必死になる途中では様々な困難もある。ひとりのメンバーだけが注目され他はその他大勢扱いにされる。マネージャーとの考えの違いや、コンサートの設備の問題。または移動する手段をバスから飛行機に変えるなど、さまざまな問題がある。

それらをツアーに同行したウィリアムがメンバーの生の声を聞きながらメモをとる。有名雑誌の表紙を飾ることも夢ではないバンド。ウィリアムはいつの間にか取材対象から仲間という思いが強くなってくる。

バンドが売れ始めるとグルーピーは選別されていく。その中でペニーははじかれることになる。わかっていたことだが非常に複雑な状況だ。ウィリアムの怒りやペニーの悲しみもわかるが、世間とはそういうものだろう。皆がそれぞれの夢のために道を歩み出す。

最高なのは、バンドのギタリストが友達であるウィリアムの家を訪ねる場面だ。そこではあの電話で話をした恐怖の母親が登場してくる。それでも母親はリーダーを快く迎え入れ、まだやり直しができると再び口にする。

古き良きバンドマンたちの熱さを感じる作品だ。



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