2017.10.11 隠し続けた壮絶な秘密 【愛を読むひと】
愛を読むひと [ ケイト・ウィンスレット ]
評価:3
■ヒトコト感想
少年と大人の女の恋物語かと思いきや、物語は思わぬ方向へと動いていく。15歳の少年マイケルと大人の女のハンナ。マイケルがハンナに夢中になり、ハンナまマイケルとの情事を楽しんでいる。物語的にはマイケルが同世代の女の子に恋をしてハンナが嫉妬するたぐいかと思いきや…。
ハンナがあっさりと姿を消してから、数年後に衝撃的な裁判が始まる。ハンナが戦時中の行いに対して罪に問われており、裁判で無期懲役を言い渡される。自分のプライドを守るため、あえて裁判で自分が有利になることを言わない。中盤以降、ハンナの秘密が明らかになってからはやっとタイトルの意味がわかった。ハンナの秘密は衝撃的だ。
■ストーリー
1958年、大戦後のドイツ。15歳のマイケルは、年上のハンナと激しい恋におちる。ある日、ハンナは彼に本の朗読を頼み、子供のようにその物語に聞き入った。以来、二人の間では“朗読"は繰り返され、愛はより深まっていったのだが、突然彼女は姿を消してしまう……。
8年後、法学生となったマイケルが傍聴した裁判で見たのは、戦時中の罪に問われるハンナだった。彼女はある“秘密"を守るために不当な証言を受け入れ、無期懲役を言い渡される。唯一その秘密を知るマイケルは彼女を救えるはずだった。しかし――。
■感想
少年マイケルが大人の女のハンナに夢中になる。同級生の女の子には目もくれず大人の女にはまり込むのは、童貞男子の定番かもしれない。ただ、ハンナはこの関係が長く続かないことを理解しているようなそぶりを見せる。
ふたりの逢瀬の前に必ずマイケルがハンナに本を読み聞かせる場面がある。ここの意味が判明するのは、後半になってからだ。マイケルが女に溺れるが、一時の快楽のみで、その後は目の前に存在する同級生に惹かれていく流れかと思いきや…。物語は数年後の裁判で大きく変化していく。
物語の舞台が戦後のドイツなので、戦時中の行いに対する裁判が始まる。そこでハンナが収容所の刑務官として裁かれることになる。成長したマイケルの前に、被告として再会するハンナ。戦時中の行いを非人道的だと糾弾され、仲間からも責任を押し付けられるハンナ。
そこで、証拠の著名があるというシーンでハンナは固まる。ここで、マイケルは今までのハンナの行動を思い出し、ハンナの秘密に気づくことになる。通常に生活していて他者に気づかれない秘密とは思えないのだが…。
ハンナは自分が無期懲役になるよりも、秘密を守ることを選ぶ。収監されるまでに秘密がバレるタイミングはありそうな気もするが…。大人になったマイケルは、ハンナに本を読んだ音声を送る。このことでハンナの秘密が決定的となる。
タイトルの意味が中盤まではまったくわからなかった。ハンナとマイケルの愛は一瞬だったかもしれないが、それでもハンナは自分の秘密をマイケルには知られたくないという強い思いがあるのだろう。
久しぶりに見たケイト・ウィンスレットは、壮絶な演技をしていた。
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