96時間/リベンジ


 2015.12.12      無敵の父親はすさまじい 【96時間/リベンジ】

                     


■ヒトコト感想

元工作員のブライアンが今回もまた暴れまわる。前回は誘拐された娘を救うため、単独で適地に乗り込みランボーのように暴れまわる物語であった。本作では、逆に誘拐犯の父親から復讐されることになる。相手はブライアンに対して並々ならぬ怒りの気持ちを持っているため、ブライアンだけでなく娘や嫁までも誘拐しようとする。

元工作員らしく、数々の修羅場をくぐり抜けた経験から、どのような窮地に立たされようとも、事態を打開する策がある。本作のメインは、間違いなくブライアン自身が誘拐され、そこから抜け出すまでだ。目隠しをされた状態で車で連れ去られたとしても、微かな物音や、車の動きにより場所を特定する。手榴弾を爆破させ、その音が伝わるまでで距離を測る。なんという男だ。

■ストーリー

警護の仕事を終え、イスタンブールで休暇を迎えた元CIA秘密工作員のブライアン。彼は、ホテルで元妻のレノーアと娘キムとともに家族水入らずで過ごし絆を取り戻そうとしていた。ところが、かつて彼に息子を殺されたアルバニア系犯罪組織のボスが密かに復讐計画を実行。レノーアを誘拐されたブライアンは、敢えて自らも組織に捕えられることを選択する。

一方、辛くも難を逃れたキムはイスタンブールの街を彷徨い続ける。果たして、捕らわれの身のブライアンに起死回生の脱出策はあるのか。そして、捕らわれて重傷を負ったレノーアと、敵に追われるキムを同時救出することは出来るのだろうか……。家族への愛のため、再び"無敵の父親"へと変貌を遂げていく。

■感想
ブライアンの元工作員としての能力の高さがいかんなく発揮された作品だ。前作で娘を誘拐犯からとり戻したブライアン。今回は、その誘拐犯の父親たちから狙われることになる。トルコのイスタンブールで突然拉致されるブライアンと嫁。

そこでイスタンブールの細長い路を車であちこち連れまわされた状態であっても、ブライアンは微かな振動と音からどこに拉致されようとするか想定する。そして、さらにその先では、拉致されたブライアンが自分の位置を知るために、ホテルにいる娘に手榴弾を爆破させ、爆発音が伝わる時間で距離を測る。かなり特殊な能力だ。

ブライアンが指示することがいちいち適格で驚いてしまう。自分が監禁された場所からパイプを破壊し水蒸気を噴射させ、娘に居場所を知らせる。武器を手に入れると、そこからはもはやブライアンの独壇場でしかない。ひたすら敵を討ち倒す。

ブライアンの巨体が、アラブ系の敵たちをひたすら倒していく。ただ、娘や嫁の心配をしつつの戦いのため、多少のぎこちなさはある。強烈なのは、娘が運転する車でカーチェイスをするシーンだ。イスタンブールの狭い道をひたすら突っ走る。周りの小屋をぶち壊しながらすすむのが爽快だ。

家族を助けるために”無敵の父親”に変貌するブライアン。強烈なインパクトはやはりブライアンの圧倒的な力強さだ。仲間へ助けを求めるのは、ちょっとしたときだけ。基本は、ひたすらひとりで戦い続ける。

唯一娘と共に激しいカーチェイスを繰り広げた場合のみ、アメリカ大使館へ車ごと突っ込んでしまう。下手すれば自爆テロと誤解されかねない流れだが、それらを電話ひとつで解決してしまう。これほど頼りになる父親はいないだろう。ただ、父親がブライアンだからこそ、狙われるというのはある。

もはや96時間というタイトルには、意味がなくなっている。



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