42 世界を変えた男


 2017.7.25      史上初の黒人メジャー選手 【42 世界を変えた男】

                     
42〜世界を変えた男〜/チャドウィック・ボーズマン
評価:3

■ヒトコト感想
黒人で初めてメジャーでプレーした伝説の人物ジャッキー・ロビンソンをテーマにした作品。実話をベースにしてるが、実話とは信じられないようなドラマがある。人種差別が激しい時代。黒人がメジャーでプレーすることが許されていない時代に、初めてプレーした黒人選手。当然、激しい差別が繰り返される。強い覚悟を持つ者たちの存在があるからこそ、ロビンソンは差別をはねのけることができたのだろう。

遠征先のホテルにロビンソンがいることでチーム全員が宿泊できない。あからさまなヤジ。すべてに耐え続けるロビンソンの忍耐力はすばらしい。今では考えられない差別がそこに存在したのだろう。ロビンソンの背番号42が全球団の永久欠番というのには驚いた。

■ストーリー
4月15日。その日、大リーグではグラウンドにいる全員が背番号「42」をつける。どのチームの、どの選手も。敵も、味方も、関係なく。その裏側には、鳥肌の立つようなドラマがあった…。ただ一人、大リーグ全球団の永久欠番になった男。彼の勇気が巻き起こす、奇跡と感動の実話。

■感想
黒人がメジャーで野球をすることがありえない時代。奴隷制度が当たり前の時代がつい最近までだったとしたら、それもありえるのだろう。奴隷と一緒に野球をすることを忌避する時代。そんな時代遅れの風習を打開するために、覚悟ある人々が動き出す。

メジャーで野球をしようとするロビンソン本人はもちろんのこと、それを決めたオーナーや監督、または一緒にプレーする選手にまで周りの非難は続くだろう。黒人と野球をすることが当たり前になるために、強烈な苦難がここに描かれている。

差別を扱った物語は数あれど、同じチームでプレーする他の選手にまで影響を与えるのは衝撃だ。ロビンソンが直面する最初の困難が、チームの監督や選手に受け入れられることだ。監督に関してはオーナーの一声であっさりと解決するが、チームはなかなかそうはいかない。

ロビンソンと一緒にプレーしたくないという嘆願書を書くまでに至るのだが…。ここでもオーナーは最後まで拒否する選手をトレードにだそうとする。ロビンソンのひたむきにプレイする姿と、その能力で次第にチームに受け入れられ始める。

チーム内で受入れられると、次は対戦相手だ。当然激しい差別がまっている。地域によってはホテルに泊まることすら拒否される場合もある。そんな時代でも、オーナーに言われた決して暴力的にならないという戒めを守り、ロビンソンはメジャーに受入れられることになる。

一度でもロビンソンが乱闘騒ぎなどを起こせば、すべては水の泡と化していたはずだ。マスコミはロビンソンの荒を探そうとする。世間的には差別はダメだといいながら、差別はなくならない。表面上で良い子ぶっている人がどれだけ多いかということだろう。

本作が実話ということにとてつもない衝撃だ。



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