17歳の肖像


 2016.10.5      少女には手痛い人生経験だ 【17歳の肖像】

                     


■ヒトコト感想
厳しい家庭に育ち、女学校では成績優秀で将来はオックスフォードを目指す少女。偶然出会ったデイヴィッドと恋におちるジェニー。16歳の少女がどう見ても30は超えているであろうデイヴィッドと恋に落ちる。デイヴィッドが若々しい見た目ならまだしも、年相応な見た目とくれば違和感を覚えてしまう。

ジェニーからすると、ジャズや豪華な食事や楽しい音楽会など大人の楽しみを教えてくれる紳士ということで、気持ちが盛り上がったのだろうか。客観的に見ると大人の恋にあこがれていただけのように思えてしまう。恋愛中のジェニーの身勝手な態度と、両親の苦悩。つい、親目線で見てしまうが、親としてはやりきれない思いがあるのだろう。

■ストーリー
60年代初頭のロンドンを舞台に、好奇心旺盛な16歳の少女の恋を綴ったラブロマンス。優等生のジェニーは謎の紳士・デイヴィッドと恋に落ち、勉強そっちのけで刺激的な“大人の世界”にのめり込んでいくが…。

■感想
60年代のロンドンを舞台にした作品。16歳の少女ジェニーが大人の男・デイヴィッドに恋をする。16歳からすれば、30歳を越えるような男はオジサンでしかないだろう。それが恋愛対象になるとは…。デイヴィッドの態度が紳士的で、大人の楽しみを教えてくれるからだとしても、どこかで周りとは違うという特別な意識がジェニーに働いていたのは間違いない。

真面目に勉強してオックスフォードに入学したとしても、その後は教師としてつまらない毎日を送るのか。今を正当化するためのジェニーのロジックはすさまじい。

ジェニーの両親、特に父親は昔ながらの気難しい父親だ。ジェニーがオックスフォードに入ることを願い、そして、ジェニーのことをどこかで投資とみなしている。金がないことを後ろめたく思い、紳士的なデイヴィッドに対して、どこか気おくれする。

父親の立場からすると、16歳の娘が歳の離れた彼氏をつれてきたら、それだけでなんだか嫌な気分になるような気もするが…。ジェニーと父親との関係が、ある意味反発もありデイヴィッドへより気持ちが傾くことになったのだろう。

ジェニーのデイヴィッドに対する思いは、デイヴィッドの秘密によりすべてが崩壊する。やはりそううまくはいかない。ジェニーは手痛い人生の勉強をしたということだろう。ジェニーだけでなくジェニーの父親もまた後悔していることだろう。

ただ、父親には同情すべきことがある。デイヴィッドに騙されたとはいえ、娘が全面的に信用する人をはなから疑ってかかるのは逆に問題があるだろう。すべては、ジェニーの舞い上がった気持ちと、調子にのった態度が招いたことだ。

ジェニーの失敗を事前に両親が防げたかというと、難しいだろう。



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