100回泣くこと


 2017.2.13      記憶をなくした男の衝撃的な過去 【100回泣くこと】

                     
評価:2.5

■ヒトコト感想
記憶をなくした男と余命わずかな女の物語。物語はバイクの事故で1年前の記憶を失った藤井が運命の相手佳美と出会うところから始まる。この時点では、藤井は記憶をなくしてはいるが、普通の青年で佳美がガンにおかされており、二人の行く末に問題がある感じの物語かと思っていた。佳美がかたくなに藤井に対して病気を隠し普通に過ごす。

ごく普通の不治の病系の恋愛映画かと思いきや…。藤井の失われた1年間に大きな意味があるとわかる。突如として過去を思い出す藤井。そして…。安っぽく安易な恋愛映画かと思いきや、記憶をなくした藤井の過去に大きな秘密があった。佳美と藤井の運命の再会の意味がやっとわかった。

■ストーリー
記憶をなくした“彼"と、余命わずかな“彼女"――運命の再会を果たした男女の、最高に切なく美しいラブストーリー! 突然のバイク事故によって、記憶の一部を失った藤井と、藤井の中から存在が消えてしまった恋人・佳美。

4年後、記憶喪失のままの藤井と、彼を待ち続けていた佳美は、運命の“再会"を果たす。再び恋に落ち、付き合い始める2人。このままずっと幸せが続くと思っていた矢先、佳美に病魔が忍び寄る…。藤井の失われた記憶に隠された切ない愛の真実とは―?

■感想
恋愛映画が嫌いな人には受け付けないだろう。序盤ではガンの再発におびえる佳美と、佳美に果敢にアタックする藤井という図式が作り上げられている。藤井は過去にバイクの事故で記憶をなくした以外は、ごく普通に生活している健康な若者だ。

対して佳美はガンを克服したが、いつ再発するかわからない恐怖を抱えている。このまま付き合うことに不安を感じる佳美だが…。藤井の果敢なアタックに折れて二人は付き合うことになる。そしてここからはわかりやすい恋愛映画となる。

幸せな同棲生活を続ける二人に、後半から微かな謎が登場してくる。佳美やその友達の言動が何かしら謎を含ませたものとなる。そして、それは藤井が記憶を失った過去のことだと観衆は気づく。藤井の過去にいったい何があったのか。

藤井と佳美が過去に出会っており、恋愛関係にあり、さらには結婚の約束までしていたということだ。この衝撃的な事実と、それを知った瞬間の藤井の怒りは当然のことと共感できる。周りがすべて藤井を騙していたということになる。それは佳美も同様だ。

そこから、藤井と佳美の甘々な恋愛物語がエスカレートする。お決まり通り、ガンが再発した描写となると、抗がん剤の副作用で髪の毛が抜ける。そして、悲しむ藤井。なんだかこの段階にくるとちょっとテンションが下がってしまった。

藤井の失われた1年と佳美の関係がもっと細かく描かれるのかと思いきや、想定通りの流れとなり、二人は寄りを戻すことになる。小説が原作の本作。恐らく小説は泣けることだろう。ただ、映像化されると、ありきたりなものに思えてしまった。

藤井の失有れた1年の謎は衝撃だ。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp