闇金ウシジマくん


 2014.6.2     ダメ人間の巣窟 【闇金ウシジマくん】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
マンガ原作は読んでいる。ドラマは見ていないが、原作の面白さが十分すぎるほど表現されている。原作は多少くせのある絵なので、独特の雰囲気がでいていたが、映像化されると妙な衝撃がある。その辺にいそうな人たちが、実は闇金に借金をし、フラフラしているという事実。成り上がりたいがために必死な男や、楽に金を稼ごうとする女。

世間の縮図がここにある。はっきりいえばダメ人間たちだが、それらに対して容赦なく取り立てるウシジマが良い。有無を言わさぬ迫力と、圧倒的な暴力。マンガで表現されていた残虐シーンが、ほぼそのまま描かれているのには驚いた。マンガ原作はたいてい失敗するが、本作は大成功なのではないだろうか。

■ストーリー

10日(ト)で5(ゴ)割の法外な利息で金を貸し付ける闇金業者「カウカウファイナンス」。社長の丑嶋(山田孝之)は、非情な取り立てで、未來(ミコ)(大島優子)たち債務者を借金地獄のどん底に追い込んできた。だが、そんな丑嶋が何者かの罠にハマり逮捕される。それは多額の示談金を目当てにしたイベントサークル「バンプス」代表・純(林遣都)の策略だった。闇金、チャラ男、借金苦のギャル。熾烈なマネーゲームがいま幕を開ける――。

■感想
ウシジマを山田孝之が演じるということで、大柄なウシジマに対して小柄な山田では違和感があるのでは?と思っていたがそうではない。雰囲気がすさまじい。体格だけ似せたとしても、ウシジマの雰囲気はだせないだろう。逆に小さいのになんだかものすごい圧力があるように感じてしまう。

その他、ウシジマの仲間たちも良い味をだしている。どうしようもないダメ人間たちの演技もすばらしい。豚塚というデブのチンピラは、マンガ原作をそのまま映像化したようなビジュアルだ。よくあんな人物を見つけてきたものだと驚いてしまう。

ミコ役の大島優子は、意外にも良い雰囲気をだしていた。パチンコ中毒で体を売って金を稼ぐ母親を助けるため、楽に金を手に入れる方法を選ぶ。本来なら、真面目なはずが、少し足を踏み外したせいで、後戻りできない世界へとはまり込む。

ウシジマが言う「一度楽に金を稼ぐことを覚えたら、抜け出せない」というのは妙に心に響いた。ミコが戸惑いながら男とデートする表情は、すべてを物語っている。母親の利息をミコがけなげに払う姿は涙がでそうになる。ダメ人間に違いないが、同情すべきダメ人間だ。

最も強烈なダメ人間である純は哀れだ。成り上がりたいがために、あちこちに借金をして自分の顔を売りイベントを成功させようとする。必死の形相で、自転車操業となりにっちもさっちもいかなくなり、叫ぶ姿というのは、追い込まれた人間の哀れさを如実に表している。

ウシジマたちのむちゃくちゃな利息に反抗した結果…。映画作品としてのオチがこれでいいのか?と疑問に思うほど救いようのないオチだ。本作の原作がそもそもさわやかな話を描くのではなく、ダメ人間たちの落ちっぷりを描く物語なので、ミコのように救いがあるのが珍しいのだろう。

マンガ原作の映画化として成功例なのは間違いない。



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