ワールド・ウォーZ


 2014.4.8    押し寄せる人、人、人 【ワールド・ウォーZ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
映像のすさまじさに圧倒される。人がまるで飴に群がる蟻のように押し寄せてくる。かと思えば、人がごみ屑のように散らばっていく。ストーリーはありがちなもので、簡単に言ってしまえばゾンビ映画だ。謎の病原菌に犯された者が発狂し他人に噛みつき、瞬時に感染が広がる。バイオハザードや既存の映画で使い古されたパターンだが、映像のインパクトがすさまじいので、古さを感じない。

お決まり通り、ワクチンを探し求めるのだが、その過程で様々なアクシデントが起きる。恐ろしいのは、完全に安全と思われた場所であっても、ひとりでも感染者が入り込んだ瞬間に、すべてが無意味になってしまうその状況だ。人のパニックをここまであからさまに描かれれると非常に恐ろしくなる。

■ストーリー

その日、ジェリー(ブラッド・ピット)と妻、2人の娘を載せた車は渋滞にはまっていた。一向に動かない車列に、これがいつもの交通渋滞でないことに気付くが、次の瞬間、背後から猛スピードで暴走するトラックが迫ってくる。必死で家族を守り、その場から逃げだしたジェリー。全世界では爆発的に拡大する“謎のウイルス"によって感染者は増加し続け、大混乱に陥っていた。

元国連捜査官として世界各国を飛び回ったジェリーに事態を収束させるべく任務が下る。怯える家族のそばにいたいという思いと、世界を救わなければならないという使命の狭間で、ジェリーは究極の選択を迫られる。感染の速度は加速する一方で、人類に残された時間はわずかだった―。

■感想
謎のウィルスを解明するため、ジェリーは世界各地を周る。世界規模で広がったウィルスの感染源を見つけ出すことは不可能なのだろう。ご都合主義的にどんなに危険な目に合おうとも、奇跡的にジェリーだけは生き残る。ウィルスの恐怖というよりも、Z(ゾンビ)の恐怖でしかない。

どれほど強固で高い壁に囲われ、安全な状況にあったとしても、ひとたびZが入り込めば、逆に逃げ場がない。パニックに陥った人々の恐怖というのはすさまじい。Zに噛まれてウィルス感染するよりも、人に押しつぶされる可能性の方が高いのでは?と思えてしまう。

どんな場所でも必ずウィルス感染者がいるというのは恐ろしい。物音がすると、必死の形相で追いかけてくるZたち。安全な場所がまったくないというのも、恐ろしすぎる。感情がなく、ただ人に噛みつくことだけを目的とした人間は、もはや人間ではなく、昆虫のように思えてくる

上空のヘリから街全体を眺める映像では、ワラワラと建物に迫りくるZたちの恐ろしさにあふれている。軍隊だろうが、宗教だろうが、すべてを凌駕する勢いがある。絶望的な気持ちになる映像ばかりが連続して登場してくる。

微かな希望として、ジェリーはある法則に気づく。そして、奇跡的に生き残ったジェリーが最後の手段として…。今までのスケールのでかいZたちの大群から比べると、ラストの攻防は意外にこじんまりとしている。

生きるか死ぬかの瀬戸際、ギリギリのところでの駆け引きはしびれるのだが、結末は予想できるだけに結末へいたるテンションは若干下がった。ただ、そうは言っても、ラストの流れからして、Zとの戦いはまだまだ続くというのが、絶望感を引きずるような流れとなっている。

使い古されたストーリーだが、映像のインパクトがすさまじい。



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