2014.9.10 自分は何者なのか? 【アンノウン】 HOME
評価:3
■ヒトコト感想
学会に参加するためにドイツに妻と共にやってきたハリス博士は、妻と別れタクシーに乗ったのだが、交通事故にあい記憶をなくす。記憶を少しずつとり戻す過程で、自分とは別のハリス博士の存在に気づく。妻までもが、知らない男に寄り添っている。自分は何者なのか?という疑問が付きまとう作品だ。ミステリーとしての強烈な面白さがある。
自分は何者なのか、妻との思い出や今までの記憶は間違いなのか。自分の偽者と思わしき人物が自分と同じ記憶をもっている。何かとてつもなく巨大な陰謀なのか、それとも…。観衆はハリスと同じように、確定的な自分のアイデンティティを探しだそうとする。後半では驚きの秘密が明かされ、アクションとしてもすばらしい魅力を放っている。
■ストーリー
交通事故に遭い、意識を取り戻したマーティン・ハリス博士が目にしたのは、自分を忘れてしまった妻と自分になりすました別の男だった─!
■感想
事故にあい、記憶喪失になるハリス博士。学会と妻のことは覚えているのだが、妻の隣には見知らぬ男がいた。自分が記憶喪失になっている短期間の間に、妻が別の男と夫婦になり、別の人物が学会へと参加する。
周りすべてが自分を不審者扱いし、ネット上にもハリス博士として別の男の顔写真がでている。ここまでくると、自分の勘違いを疑うのが普通だろう。では、自分は何者なのか?壮大な陰謀の匂いを感じ、偶然の要素から、ハリスをはめようとする巨大な力に気づくことになる。
序盤の、自分が何者かわからない部分は秀逸だ。タイミング良くパスポートがなくなり、自分を証明する方法がない。一番信頼できるはずの妻も知らないと言う。となると、事態は混乱を極める。きっかけは、偶然事故にあったことから始まるので、タクシーの運転手を探すことになる。
ハリスは何か巨大な陰謀に巻き込まれた不幸な人物かと思っていた。妻や周りの同僚たちをも巻き込むほどの巨大な陰謀とは何なのか。調査員を雇い入れ、自分は何者なのかを調査する下りは最高に盛り上がる。
ハリスの正体は驚きだ。オチとしてすばらしい仕掛けだ。妻が突然他人のフリをする理由も、見ず知らずの男がハリス博士を演じた理由も違和感なく説明できている。ハリスの正体がわかると、すべてが納得できる。何者かに暗殺される理由すら納得できてしまう。
すべては、偶然の事故から始まるのだが、ハリスが思い出すべき最も重要な部分を忘れていることが大きい。記憶喪失モノは、理由がはっきりすると、途端に面白味が半減するが、本作はそんなことはない。前半はミステリアスで、後半はドキドキアクションとして楽しめる。
ミステリー部分の構成がすばらしい。
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