ユナイテッド ミュンヘンの悲劇


 2014.7.23     悲劇から復活の奇跡 【ユナイテッド ミュンヘンの悲劇】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
実在する事故を元に描いた本作。マンUの選手たちが飛行機事故に遭遇し、チーム存続の危機に立たされていたのには驚いた。チームの主力選手が飛行機事故に遭遇し、チームは成り立たない。今でこそとんでもないビッククラブだが、当時はチーム自体がなくなる可能性もあったのだろう。今の選手たちに置きかえると、とてつもないことだと実感できる。

何十億もの移籍金を払い、高額な年俸で契約した選手たちをすべて失う。ルーニーやファンペルシーや香川までも。世界的ニュースはもちろんのこと、サッカー界全体に与える衝撃もすさまじいものだろう。そんな危機からどのようにして立て直し、復活をとげたのか。衝撃的事件の真相がここにある。

■ストーリー

イングランドの名門、マンチェスター・ユナイテッドを襲った悲劇と再生への道程を描いた感動ドラマ。58年2月6日、マンUの選手らを乗せたチャーター機がミュンヘンの空港で離陸に失敗。多くの主力選手を亡くしたクラブは存続の危機に陥る。

■感想
チームの主力選手たちを事故で失う。チームのチャーター機が事故に合うのは悪夢でしかない。物語の序盤は若きボビーチャールトンを主役とし、マンUへ入り、そこでサッカーをすることに情熱を注ぐ青年を描いた、若々しさあふれる作品となっている。

レギュラー争いやチームメンバーとの関係など、お決まり通りの展開だが、キャプテンのダンカンとの関係が強く描かれているのは、その後の別れを印象づけるためだろう。今と比べると、ただボールを蹴るだけのように見える選手たちの描写も、のちの悲劇を連想させる悲しさがある。

事故後、生還したボビーは精神的ショックからボールを蹴ることができない。主力選手の8人が死に、ダンカンは数日後に死ぬ。仲間の死の瞬間を目の前で見せられるのは想像を絶する経験なのだろう。一時、精神的に不安定となるのも当然だと思う。

今や伝説的名選手であるボビーチャールトンが、こんな経験をしていたことに驚いた。バロンドールをとるまでの選手が、トラウマによりボールを蹴れない状態にあったなどとは思いもよらなかった。その後、チームが劇的に復活し、FAカップの決勝へ進出する描写には、涙が出そうになる。

悲劇的な出来事から、軌跡の復活まで感動する要素は多い。が、サッカーの描写が当時を大げさに印象づけるためか、やけに古臭いのが印象的だ。特にユニオームが強烈にダサい。キーパーは、ハイネックのセーターのようなものを着て、ハンチング帽を被り練習している。

ドロドロに汚れるのもお構いなしの状況は、おしゃれして出かける紳士が、遊びでサッカーをしているように見えてしまう。サッカーボールもなんだか妙にいびつで固そうだ。今の洗練された選手たちをイメージすると、そのギャップに驚かされるだろう。

悲劇から劇的に復活したマンUの奇跡がここにある。




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