トロッコ


 2014.5.25     日本と台湾の関係は? 【トロッコ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
台湾人と結婚し、夫が亡くなったことから、台湾の義理の両親の元へと孫を連れてやってくる夕美子。過去の台湾人と日本人の関係や、家族のあり方など、何が正しいのかわからないが心打たれるものがある。日本語が通じないはずの台湾で、日本語を話す祖父と出会う。過去の日本と台湾の関係をメインに描かれているのだが、かなり衝撃をうけた。

台湾人は日本に対する恨みがあるのかと思いきや、どちらかと言えば好意的にすらとらえている。孫たちの成長を喜びつつも、息子が帰らぬ人となったことを悲しむ。高齢の両親の面倒を誰が見るのか。よくある親子の問題のようだが、そこには日本と台湾の違いがある。台湾人たちの日本への思いに心打たれてしまう。

■ストーリー

芥川龍之介の名作「トロッコ」を元に、家族の絆と少年の成長を現代の台湾を舞台に描いた感動作。ある夏の日、敦と凱の兄弟は母親の夕美子に連れられ、亡くなった父親の故郷である台湾の小さな村を訪れる。そこでふたりは日本語を話す祖父と出会い…。

■感想
戦争中に日本語教育を受け、日本人として戦地へ向かった台湾人たち。日本が戦争に負けると、すべてはなかったことにされる。普通ならば日本に対して恨みを感じるだろう。長男が日本人を嫁にもらい、日本で生活することへの思いや、台湾に帰ってこないことへの不満など、思うところはあるはずだ。

それでも、息子が死に、その嫁と孫たちが台湾へやってくると、温かく向かい入れる。単純に考えれば、息子を奪われたと思い、どこか心にわだかまりが残るはずだが、そんなことは微塵も感じさせない雰囲気だ。

頻繁に登場する食事シーンは印象深い。日本に近いようだが、少し違う。主食はご飯なのだが、何かが違う。日本の和食であれば一人ずつ小皿に取り分けられているが、台湾ではすべてが大皿で登場する。ご飯だけひとりひとりもつという感じだ。

どこか韓国や中国に近い雰囲気を感じてしまった。が、台湾人たちの日本に対する思いというのは、かなり好意的だ。台湾の子供たちもふくめ、排他的な雰囲気として描かれてはいない。真実そうなのか、それとも映画的演出なのか…。

台湾の小さな村でそのまま暮らすのか、それとも日本に帰るのか。まさに日本の過疎化がすすんだ地域の問題そのままだ。心では日本に帰りたいと思っていても、別の意識が働く状態。子供が元気いっぱい自然の中でノビノビ育つということを考えるのか、それとも自分で仕事をして養っていくのか。

子供が「僕は日本人?それとも台湾人?」と問いかける場面では、画面全体に微妙な空気が流れる。人種問題はいつまでたっても消えることのない問題なのだろう。

台湾と日本の関係が、これほど友好的なものだとは思わなかった。



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