テイカーズ


 2014.11.10      スタイリッシュな強盗団 【テイカーズ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
チームで強盗を成功させるテイカーズと、それを阻もうとする刑事コンビの物語だ。テイカーズたち手際の良い強盗場面は爽快だ。細部まで計画され、少しの狂いもなく計画を実行していく。人を不必要に傷つけることなく、金だけをせしめていく。そしてプライベートではゴージャスな生活をする。セレブなテイカーズに対して、真面目に泥臭く捜査を続ける刑事コンビの貧困具合がすさまじい対比として描かれている。

観衆に憐れみを感じさせる対比だ。出所した元メンバーが持ち込んだ計画を強引にすすめたテイカーズの、ほんのわずかなほころびから、刑事たちの付け入る隙となる。ラストは衝撃的な銃撃戦で、殺戮の嵐となる。結局のところ、刑事コンビの不憫な境遇ばかりが印象に残っている。

■ストーリー

綿密な計画と意表をつく作戦で、次々に大掛かりな銀行強盗を成功させゴージャスでスタイリッシュな生活を楽しんでいる男たち5人のチーム《TAKERS/テイカーズ》。普段は別々に身を隠しながら1年に一度集結して犯行に臨んでいた。ある日、警察に捕まっていた元仲間ゴーストが出所し、2000万ドル強奪の大仕事を持ちかける。

メンバーは躊躇するも、ゴーストへの負い目と大金に目がくらみ、新たな強盗の準備をたった5日間で行うことを決める。しかし、それを阻もうとロサンゼルス市警のウェルズ刑事(マット・ディロン)が執念で立ちはだかる。

■感想
一年に一度だけ、それぞれのスペシャリストたちが集まり、大金を強奪する。プロフェッショナルな者たちが綿密な計画を立て、確実に遂行する。そして、仕事を終えた後は、セレブな生活を満喫する。なんてかっこいい男たちだと思ってしまう。鮮やかな手並みにほれぼれし、出し抜かれる警察たちが間抜けに見えてくる。

中盤までは間違いなくテイカーズの完璧さばかりが描かれている。対して、地味な捜査と暴力的な行為で強引に事件を解決しようとする刑事コンビがいる。セレブな強盗団と貧乏な刑事。この対比がすばらしい。

出所した元仲間が登場してから、テイカーズの雰囲気は危うくなる。準備時間がほとんどない中で現金輸送車強奪作戦を決行する。テイカーズのそれぞれのメンバーからも、少しずつほころびが見え始める。ほんの些細なことから、テイカーズの正体に気づき始める刑事たち。

このままテイカーズは計画がバレて刑事に捕まってしまうのかと思いきや…。刑事側にも貧乏を苦にした問題が発生する。このあたり、テイカーズも刑事も、両方が問題を抱えながらすすんでいくのが巧みに描かれている。

ラストは衝撃的な結末となる。うまくいったかと思われた強奪計画が…。出所した元メンバーの策略にはまりこみ、テイカーズたちは崩壊していく。物語の流れからすると、テイカーズが最後に勝つパターンもあるのだろうが、刑事たちが勝つパターンもありえなくもない。

そんな中での結末は、まぁ、ほぼ全滅の殺し合いということで痛み分けといえるだろう。スタイリッシュなテイカーズたちが、刑事に追われボロボロになりながら、なんとか逃げきることに成功する。

事態が二転三転する、爽快なアクションだ。



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