食べて、祈って、恋をして


 2014.11.4      きままな自分探しの旅 【食べて、祈って、恋をして】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
充実した仕事をし、恋人もいるキャリアウーマンが自分探しの旅にでる。結局のところ中年女性が年下の恋人との関係や、離婚した元夫のことの悩みを解消するために旅にでるという物語だ。イタリアでは食を楽しみ、インドでは瞑想し、バリでは新たな恋をする。旅先でそれなりに楽しい出来事に遭遇し、自分の中に変化を感じる。ただ、そこに大きな意味はない。

ありがちな中年女性の旅が、淡々と描かれているような気がしてならない。本作にあこがれて旅にでる女性は多いだろうが、現実的には何も解決していないことは確かだ。ちょっとした旅行映画のように感じてならない。目的のない旅というのは、本作のようになりがちなのだろう。

■ストーリー

ニューヨークで活躍する女性ジャーナリストが、仕事にプライベートに忙しい日々を送っていたが、心のどこかに満足しきれない思いを抱いていた。「昔はもっと毎日が輝いていたのに・・・」と。ある日、彼女はすべてを捨ててニューヨークからイタリア、インド、そしてバリ島へ“本当の自分”を探しに1年間の旅に出ることを決意する。イタリアでは、体型を気にせずグルメ三昧、インドでは瞑想に耽り、最後に訪れたバリ島では思いがけない出逢いが待っていたのだが・・・。

■感想
キャリアウーマンが、自分探しの旅に出ると本作のようなパターンになるのだろう。イタリアでは食事を楽しみ、現地で友達を作り楽しいパーティーの日々をおくる。ただ、そこでは多少語学を学べたということ以外はとくになにもない。

イタリア旅行では主に食事がメインとなっている。その証拠に、他の国ではほぼ食事のアップシーンは登場しないにも関わらず、イタリアでは必要以上に料理の映像が目白押しとなる。旅に食事はつきものだが、とりわけ、イタリアでは食事しか注目すべきことがないように思えてしまった。

インドでは瞑想に没頭する。ステレオタイプな状況ではある。自分の悩み苦しみを他者と共感し、瞑想して心を清らかにする。自分よりも不幸な人が、この世界には大勢いることに気づき、安心するのだろうか。ニューヨークからイタリア、インドと旅をし、一番本当の自分と向き合うチャンスがあるのはインドなのだろう。

ただ、そもそもの目的が何なのかあいまいであり、あいまには、恋人の思い出に縛られたりと、どうも釈然としない。瞑想さえすれば何か変化があると期待するような雰囲気すらある。

最後のバリは、まさに普通にリゾートを楽しむ中年女性そのものだ。現地で友達を作り恋をする。結局のところ、バリに観光に来たのとまったくかわらない。本作を見れば、同じような状況の女性であれば、それなりに共感できるのだろうか。

自分探しの旅にでて、同じような経験をすれば、それなりに楽しいだろう。が、その先に何があるのかよくわからない。同年代の女性にどの程度共感されるのか。男が見ると、なんだかただの旅行映画のように見えてしょうがない。そう割り切れば、まったく問題ないのだが…。

タイトルとCMを見れば、楽しげな雰囲気は伝わるが、それだけだ。



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