素敵な人生のはじめ方


 2014.7.20     有名俳優も普通の人だ 【素敵な人生のはじめ方】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
モーガン・フリーマンが自分自身を演じているような本作。まるでドキュメンタリーのように、モーガン・フリーマンがふらりとスーパーに立寄る。とりたてて何がというのはない。有名人がスーパーのレジ係りと行動を共にし、庶民の生活を実感しつつも、それを応援するような物語だ。モーガン・フリーマンが微妙な俳優役となり、主演作のDVDが激安で売り出されているのを隠したりと、なんだかひとつひとつの仕草が面白い。

有名俳優たちも、実は普通の人と変わらない。出会う人すべてが、一瞬、有名人ということで驚くが、そのあとは普通に対応してくる。レジ係りのスカーレットと恋仲になるのかと思いきや、そうではない。有名俳優のちょっと変化した日常が描かれている。

■ストーリー

モーガン・フリーマンは4年ぶりに映画に出ようかとしている有名な俳優役。ディレクターのいとこに連れられて、映画の舞台であるカーソンにあるしょぼくれたスーパーに行く。そこでモーガン・フリーマンは10 items or lessのレジにいるスカーレット(パス・ペガ)に興味を持ち、夜まで行動を共にする。

レジの仕事を毛嫌いしている彼女は、転職を考えており、この日の午後に面接を控えていた。その準備をモーガンが独自の方法で手伝いながら、二人の不思議な交流が始まる…。

■感想
モーガン・フリーマンはどのレベルの俳優なのだろうか。もしかしたら自分自身をイメージしているのかもしれない。さびれたスーパーに立寄り、一目では気づかれないが、よく見ると有名人だと気づかれる。だからといって、パニックになるほど騒がれるわけでもない。

雰囲気は、過去ヒット作に出演したが、最近見なくなった俳優といった感じだろうか。庶民の暮らしに慣れておらず、ちょっとしたことでも新鮮な驚きにつつまれながら、この日常を楽しんでいるようにも見える。

庶民とセレブの違いが表現されている部分は面白い。現金をもたずダイナーズカードしかない男が、スカーレットのために面接用の服を買ってやる。自分が来ているTシャツが100ドルというくだりも、本来なら嫌味な場面のはずが、そう思わせない雰囲気がすばらしい。

どこかおどけた調子で8ドルのTシャツを手に取り、はしゃぎまわる。スーパーに来た他の客とも気さくに話をする。有名人らしいオーラがいっさいない。そしてこれがモーガン・フリーマンのイメージとぴったりくるので、ドキュメンタリーのように思えてしまう。

二人の不思議な交流には、なんだか微笑ましい気分になる。なぜ、モーガンが女の面接を手伝ったのか。明確な理由を求めるべきではないのだろう。ただ気に入ったから手伝っただけ。人生を変えるチャンスがスカーレットにあるとしたら、それを手伝いたかったのだろう。

モーガン自身、何か新しいことに踏み出すきっかけになったのかもしれない。有名俳優が突然田舎町へやってきたとしたら、まさにこんな感じなのかもしれない。

気さくなモーガン・フリーマンは、まさにイメージどおりだ。



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