新少林寺 SHAOLIN


 2014.12.13      軍隊と少林寺の無慈悲な戦い 【新少林寺/SHAOLIN】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
少林寺と軍隊の戦い。傍若無人で自分たちのことしか考えない軍隊。対して少林寺は民衆にやさしく正義の組織という描き方がされている。軍は裏切りにあふれ、裏切られた者には死がまっている。そんな環境から少林寺に逃げてきた侯杰を中心に物語は進んでいく。

侯杰役のアンディ・ラウは少林寺に入る際に、頭をその場で丸刈りにしている。恐らく地毛だろうが、五厘刈りにまったく違和感ないことに驚いた。ジャッキー・チェンも脇役として登場するが、さすがの個性がある。軍は海外との取引でゴタゴタがあり、最終的に少林寺に攻め込んでくる。ここで、棒切れで戦う少林寺対、軍の拳銃という無慈悲な戦いが繰り広げられる。

■ストーリー

1912年の中国。登封城の将軍、霍龍(かく・りゅう)を追って、馬に乗った軍人たちが少林寺に土足で踏み込んでくる。無慈悲な将軍侯杰(こう・けつ)は霍龍を撃ち殺し、少林寺を愚弄する。そんな侯杰だったが、腹心の部下である曹蛮(そう・ばん)の裏切りで最愛の一人娘が命を落とすことに。

悲しみに暮れる侯杰を救ったのは、少林寺の厨房係である悟道(ごどう)だった。全てを失いお尋ね者となった侯杰は、一からやり直すために悟道の目の前で髪を切り、出家することを決意する。

■感想
アンディ・ラウの熱演が光る作品だ。将軍侯杰は裏切りによりトップに立つことをもくろむが、逆に腹心に裏切られ敗走することになる。そこで、自分の戦いに明け暮れた日々に後悔し、出家することを決意する。子供を失い家族を失った侯杰が、茫然自失となりながら少林寺で修業する。

五厘刈りの男たちが、ひたすら体を鍛え続ける映像はすさまじい。中国の少林寺は、日本で言うところの何に位置づけられるのだろうか。寺とは違い正道会館などの空手道場とも違う。一種の独特な組織が少林寺だ。

ジャッキー・チェンが少林寺の厨房係りとして登場する。ジャッキーがでると、ついアクションを期待してしまうが、今回はただの厨房係りで終わっている。侯杰に対して、少林寺の考え方を説く。その飄々とした語り口が、侯杰の悲しみを和らげているようでもある。

結局のところ、ジャッキーはメインの戦いとはかけ離れた場所でキラリと光るキャラを演じている。少林寺と軍隊の戦いにはいっさい関与しない。少林寺の幹部たちが身を犠牲にして民衆を守る。その姿は、お決まりどおり何かを守りながら立って死ぬという、わかりやすい死にざまだ。

軍隊と少林寺の戦いは衝撃的だ。少林寺の武器は刀と棒と肉体のみ。対して軍隊は拳銃やライフルや、さらには大砲まで持つ。となると勝負は見えているかと思いきや、少林寺がかなり頑張ってしまう。なぜか軍隊は銃を持っているにも関わらず、突っ込み少林寺たちに棒でたたきのめされる。

離れて銃で一掃すれば済むのでは?と闘いのシーンがあるたびに思ってしまう。勧善懲悪モノとしては、少林寺が勝つのが正しい。ただ、圧倒的な武器の差を挽回するほどの何かが少林寺にあるようには思えなかった。

少林寺のアクションは、やはりすばらしい。



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