死刑台のエレベータ


 2014.7.22     謎だらけのリメイク 【死刑台のエレベータ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
過去の名作をリメイクしたらしいのだが…。正直、本作だけ見ると、とんでもない駄作のように思えてしまう。エレベータが途中で止まったことで、完全犯罪が崩れる。一方では無軌道な若者がヤクザの親分を殺害し、事件は複雑化する。すべてが突拍子もないように感じてしまう。愛人の夫を殺すまでは良かった。綿密に計画を立て、完全犯罪を実行する。

すべてがうまくいくはずだったのが、電源がストップしエレベータが止まってしまう。時任のパートは良いと思う。が、もう一人の警官のパートがダメだ。冒頭からチンピラに絡まれ拳銃を奪われてしまう。なぜ?どうして?ニセ警官?とすら思ってしまった。説明不足なのか、これが演出なのか。かなり戸惑った。

■ストーリー

女は、愛人関係にある男と周到に殺人計画を企てる。それは、自分の夫を自殺と見せかけて男に殺させること。その完全犯罪は、たった15分で終わるはずだった・・・。しかし、その計画は男が巻き込まれたエレベーターのアクシデントによって、もろくも崩れ去ってしまう。

女は、約束の場所に現れなかった男を捜して、夜の街を彷徨う。男は、閉じ込められたエレベーターで、あせり、いらだち、恐れ、一夜を過ごす。そして、もうひとつの若いカップルによって引き起こされる、さらなる殺人事件。ひとつの歯車が狂い始めたとき、二人の愛は衝撃の結末へと向かって行く・・・。

■感想
愛人の夫を殺し、愛人とどこか遠くへ逃げ出そうとする時任。今どきエレベータが停止するなんてことがあるのか?と思ったが、そこは古い建物ということで無理やり成立させている。過去の名作のリメイクとなると、どうしても現在では不自然なところがでてくる。

伝統あるビルということで納得させているようだ。そのほか、映像はすばらしく幻想的なシーンは新しい技術がつかわれているのだろう。ストーリーの根幹は良く、映像もすばらしいが、演出がイマイチのため、物語に??が付きまとうことになる。

警官がチンピラに絡まれ、そこから自暴自棄となる。時任の車を奪ったかと思うと、その車でヤクザの親分と激しいカーチェイスをする。そして、次の場面ではなぜか親分に気に入られ、別荘に招待される。この急転直下の状況は何なのだろうか。

警官の目的がわからない。精神に異常があるのか、それとも隠された目的があるのか。ヤクザの親分にしても、カーチェイスを仕掛けてきた若者を気に入るのがよくわからない。親分なのに、警護する人物が一人もいないのも不自然すぎる。すべての面で警官のパートは納得できないことだらけだ。

二つの事件が交錯し、本来なら単純な事件のはずが、捜査する刑事たちを混乱させる。全体的に早送りというか、ぶつ切りにされた印象がある。突然、名推理を展開する初老の刑事が登場し、次々と事件の謎を解いていく。

特徴的な部下の存在もあるのだが、説明もなしに突然登場してくるので、観衆は混乱するだろう。出演している俳優たちはかなり豪華だ。にもかかわらず、物語に入り込めないのは、ストーリー展開がブツブツと細切れにされているからだろう。

2時間に詰め込みすぎか、それとも演出の問題なのか、謎だ。



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