セブンデイズ


 2014.4.22    娘を想う母親の強い心 【セブンデイズ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
有能な弁護士の娘が誘拐される。解放の条件は死刑判決を受けた容疑者の釈放。凄惨な事件をどのようにして有能な弁護士が無罪へ導くのか。それと共に、誘拐犯の目的がはっきりしないため、物語は先が予想できない展開となる。二転三転する流れの中で、真犯人候補が複数登場し、さらには、娘の誘拐犯も少しずつ見えてくる。ポイントは親子関係にある。

娘をどうにかして助け出したい母親。有能な弁護士という姿からは想像できないとり乱し方をし、娘を無事助け出すため、必死の形相となる。対して、娘を悲惨な死体となった姿で迎えた母親は、犯人の死刑判決を願う。どちらも娘を想う母親の強い心だが、どちらがより思いが強いのか…。ラストですべてが明らかになるのだが、衝撃的だ。

■ストーリー

解放の条件は、ある猟奇殺人事件の一審で死刑判決を受けた犯人を釈放すること。与えられた時間は7日間。誘拐犯はあらゆる方法で弁護士にプレッシャーをかけてくる。娘を誘拐したのは誰なのか?死刑判決を受けた男は殺人者なのか?母親として娘を救うための戦いが始まる。

■感想
有能な弁護士、アウトローな刑事。癖のあるチンピラに、勝ちを急ぐ検察官。様々な登場人物たちが自分の利益のため動き回る。弁護士であっても、ただ娘を助けたいがために、警察をまき一人で犯人と交渉しようとする。死刑判決を受けた男を無罪にしろ、という無茶な要求に対して、ひるむことなく事件を調査する弁護士。

物語はこの悲惨な事件の真犯人を探し出すことから始まるのだが…。物語全体としてかなり残酷な場面が多い。それは、後に続く流れに正当性をもたせるためのものなのだろうが…。人によっては嫌悪感をいだくかもしれない。

有能な弁護士と組むアウトローな刑事が良い味をだしている。むちゃくちゃな行動をとるが、頼れる男だ。その男が裏で動き回り、誘拐事件までも犯人を突き止めてしまう。裁判までタイムリミットがある中で、大きな力により弁護士たちの調査は妨害される。

そのあたり、お決まりどおり裏で巨大な力がうごめき、事件の関係者を雲隠れさせる。物語として、事件の真犯人を探し出すプロセスだけでも相当に良くできている。複数犯が関わる事件であり、最後の裁判のシーンではしびれる展開がまっている。

裁判が終わり、男は釈放されたのだが…。物語はこれだけでは終わらない。というか、ここからが本番だ。この最後の10分はまさに衝撃的だ。なぜ、誘拐事件が起きたのか。なぜ、男を釈放させる必要があったのか。すべてを計画した黒幕が最後に登場するのだが、まさかの人物だ。

見終わった瞬間、すべてのシーンを振り返りながら、妙に納得してしまう。すべてのシーンに説明がつき、綿密に練り込まれたシナリオだといことに気づく。グロテスクな場面に耐えることができるのならば、見るべき作品だろう。

ラストの衝撃はすさまじい。



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