ラルゴ・ヴィンチ 裏切りと陰謀


 2014.8.14      ステレオタイプなラルゴ 【ラルゴ・ヴィンチ 裏切りと陰謀】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
突然、巨大財閥の総帥として迎え入れられたラルゴ。会社をすべて売却すると発表した結果、多数の敵をつくり、ビジネスのために大虐殺を行ったと疑いを掛けられる。ラルゴは放浪癖があり、金にあまり興味がなく、肉体派というのが、あまりにステレオタイプすぎる。どれほど敵が増えようとも自分の信念を貫き、そして、危機を脱出していく。

ヒーロー像としてはありきたりで、特別な要素はない。金持ちが金よりも別のことに興味を示すというのが、観衆を引き付けるのか。少数の仲間たちだけで自分がはめられた謎を調査し、すべてを解決してしまうその力は確かにすごい。ミステリー的な面白さで言えば、一番の仲間と思っていた人物が実は…。まぁ、定番なのだろう。

■ストーリー

巨大財閥の創始者ネリオ・ウィンチが暗殺され、後継者として迎え入れられたのは、その存在が極秘にされていた養子ラルゴ。望まぬ権力を手に入れてしまった彼は、「会社は売却し、資産は慈善事業に投資する」と発表したことで、企業乗っ取りをめぐる陰謀が渦まき始める。

大虐殺に関与したという罠にハメられたラルゴは、自ら真相を暴くことを決意する。だが彼の行く手には、執拗に追いまわす女性検察官や、財界人たちの黒い野望など、幾重もの敵が立ちはだかっていた

■感想
巨大財閥を手に入れた男が、会社をすべて売却すると言う。となると各方面から雑音が入り、敵が増え、身に覚えのないことで罪を着せられる。ラルゴが逞しく野性的なのがステレオタイプというか、定番すぎる。アクティブで力強いのは、その見た目から容易に想像がつく。

そして、あらゆる困難にも立ち向かう。ベトナムに愛した女性がおり、自分の子供がいたという衝撃もさることながら、それをあっさりと受入れ、敵に立ち向かう姿は男らしい。激しいアクションも男くささを増大させており、マッチョな物語であることは間違いない。

ビジネスを成功させるため、ベトナムの村ひとつを大虐殺する。その容疑をかけられたラルゴは、どのようにして身の潔白を証明するのか。唐突感はあるのだが、検事役のシャロンストーンが怪しい魅力をふりまいている。

正義のためにというよりも、突然金持ちになったラルゴに対する敵対意識から、という気持ちもあるのだろう。ラルゴには予言どおりに敵が増えたとしても、臨機応変に対応する逞しさがある。仲間としてちょっとオタク風な風貌の男と、いかにも肉体派で粗暴だが頼りがいのある男など、バランスがとれている。

どうやら本作は続編らしい。前作を見ていないからあまり面白さを感じなかったのか、それとも…。原作はフランスのマンガらしい。いかにもマンガらしい展開であることは確かだが、前作を見ていれば、違った面白さを発見できていたのだろう。

唐突感を感じるのは、前作を見ていないからなのか。続編が作られるということは、前作がそれなりにヒットした証拠だろう。本作単体で見たとしたら、決してほめられる作品ではない。続編で失敗するのはよくあることだが、本作もそのパターンなのだろうか。

1を見ずにその続編を見るのは、御法度だ。



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