プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂


 2014.10.8      時を戻す砂 【プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
ゲーム作品の映画化だが、内容は完全オリジナルだ。ペルシャ帝国での争いを描いた作品だが、時間の砂の描写がすばらしい。特殊な短剣に仕込まれた時間の砂を使うことで、時間を戻すことができる。そのことは、使用者だけしか気がづかない。時の砂をめぐる争いの中で、謎の暗殺集団や、ダチョウレースの胴元など、多種多様な勢力が入り混じる。

オーソドックスなアクション映画で、時間の砂の描写だけが飛びぬけている。それ以外は、普通の中東を舞台にしたアクション映画だ。ナイフの達人対暗殺集団の戦いは面白い。主人公のダスタンが危機におちいると、時間の砂を使い、危機を乗り越える。定番アクションとしての安心感がある。

■ストーリー

ペルシャ帝国のスラムに暮らす孤児の少年ダスタンは、ある日、友人を救うため大勢の兵士に立ち向かう。その勇気ある大胆な行動を見初めたペルシャ王は、彼を養子として迎える。それから15年、勇者に成長したダスタンは、兄や叔父のニザムと共に聖なる都アラムートを征服。そこで彼は戦利品として1本の短剣を手に入れるが…。

■感想
ゲームは知っていたが、やったことはない。中東の雰囲気そのままに、ゲームのタイトルを流用してはいるが、内容的には完全なオリジナルだ。ただ、後半に登場してくる地下世界の仕掛けなどは、おそらくゲームを踏襲しているのだろう。

ゲーム的な罠に囲まれ、主人公のダスタンが飛び跳ねながら、罠を潜り抜けていく。動き的にはゲームそのままだ。ストーリーは完全オリジナルなだけに、時間の砂がかなりインパクトのある仕掛けとなっている。

時間の砂が入った短剣のボタンを押すと、時間を戻すことができる。とんでもない機能だが、時間が戻ったことに気づくのは短剣を使った本人だけ。巧みな制約条件により、万能とはならない。短剣のボタンを押した瞬間、体から魂が抜け出たようになり、あっという間に時間が戻る。

映像的なインパクトがすばらしい。この特殊機能を使い、暗殺集団から狙われ、周りを蛇に囲まれたとしても、あっという間にすべての蛇を倒してしまうダスタン。一人だけ蛇がどう動くかがわかっていれば、倒すことは簡単なのだろう。

ラストは驚きの展開だ。巨大な時間の砂により、大きく時間が戻っていく。いったどこまで戻るのかと思いきや…。まさに、物語としてこれ以上ないほど正しい結末だ。作中にはそれなりの伏線がちりばめられている。最初の戦いからすでに無意味だった。

時間を戻した本人だけがすべてを知りつくしている。ある意味、夢オチ的展開なのだが、本作に限り、このパターンもありなのだろう。ゲームの流れに縛られず、独自のアイデアである時間の砂がすばらしい効果を発揮している。

ゲームに忠実なストーリーだと、こうはならないだろう。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp