オーシャンズ


 2014.5.22     衝撃的シーンはサメロボ? 【オーシャンズ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
この手の自然ドキュメンタリーはいくつか見たことがあるが、最初に見た「ディープブルー」は確かに衝撃的だった。その後、いくつかの作品を見たが、本作もそれらと大きくは変わらなかった。正直、大自然の映像は新しい映像なのかもしれないが、デジャブ感がある。アザラシの子供がシャチに食べられるシーンなんてのは、この手の作品の定番かもしれない。

ただ、そんな中で一番の衝撃は、日本を非難するような映像を交えながらの海の生物乱獲への警告だ。クジラがモリで突かれ、イルカたちが網にとらわれる。サメやタコなどは、ヒレや足だけを切り取られ、残りの部分は海に捨てられる。哀れ、ヒレを切り取られたサメがゆっくりと海に沈んでいくシーンは衝撃的だ。

■ストーリー

回転しながら波間を切り裂くハンドウイルカの大群、強大な吸引力でそこに存在するすべてを飲み込まんとするザトウクジラの捕食、しわくちゃの赤ちゃんを前足で抱くセイウチの愛情、スクリーン一杯に広がる5万匹のコシマガニの脱皮、凶暴なエネルギーを自在に操り船や港を襲う巨大な波、海底の暗闇の中で太古の形状のままで躍動する海獣たち-。

■感想
この手の映像はどこかで目にしている。ものすごいスピードで泳ぎ回るイルカの大群や、超巨大なザトウクジラの食事シーン。巨大な波にしても、どこかで見たことがある。何回見ても目を引き付けて離さないシーンもあれば、おなじみすぎて見飽きたシーンもある。

新しい映像のはずが、どこかで見たように感じてしまうのはなぜだろうか。細かな違いをそこまで認識する必要のない場面だからだろうか。大量の蟹が移動するシーンは気持ち悪い。この気持ち悪さも、別の作品で味わったことがあるような…。

自然のすばらしさや脅威とは別に、人間の愚かさが如実に描かれているのが本作の特徴かもしれない。猟師がモリを突くシーンを魚目線で描いているため、明らかな悪者としての日本人の存在がある。可愛らしいイルカやウミガメたちが、心無い人間の手によって網にとらわれ死んでいく。

巨大なクジラさえも、人間たちによってたかってモリを突き刺され、命を落としていく。クジラやイルカがモリを刺され、血を流すシーンを、海に流れる大量な血と共に描く本作。この映像は衝撃的だ。

フカヒレが高価な食材ということはわかっている。そして、どのようにして手に入れるかも…。ただ、実際に目にすると衝撃的だ。サメからヒレだけを切り取り、切り取ったヒレは船の上で干す。ヒレを切り取られたサメはそのまま海に放り出される。

ヒレのなくなったサメは、もがきながら海の底に沈んでいく。凶暴なはずのサメが、うまく泳げず海底をもがきながら這う姿は強烈だ。サメがエラから血を吐きながら苦しむ姿は夢にでてきそうだ。

と思ったら、例のサメはロボらしい。なんだかとたんにこの映画すべてが嘘くさく感じてしまった。



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