謎解きはディナーのあとで2 


 2014.1.7    事件そしてすぐに謎解き 【謎解きはディナーのあとで2】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

定番のキャラ。お嬢様と毒舌な執事。事件が起こり、すぐさま謎解きがスタートする。狂言回し役のお嬢様が推理をし、執事がそれをバカにしながら正す。風祭警部という濃い脇役の存在により、お嬢様の特殊さを際立たせている。単純すぎるミステリーと言えなくもない。よけいな前フリがなく、ただひたすらに事件解決へまい進するので、謎解きだけしたい人には、これ以上ないほどうれしい流れかもしれない。

ただ、物語として事件の背景が希薄なため、面白さは半減しているが、それらはキャラクターの個性でごまかしている。前作で物足りなかった人は、本作を読むことで推理でおなか一杯になるだろう。すでに前作で十分満足していた人には…。ちょっとつらいかもしれない。

■ストーリー

立川駅近くの雑居ビルで殺された三十代の女性。七年間交際していた男は最近、重役の娘と付き合い始め、被害者に別れを切り出したようだ。しかし、唯一最大の容疑者であるその元恋人には完璧なアリバイが。困った麗子は影山に“アリバイ崩し”を要求する。その後も、湯船に浸かって全裸で死んでいた女性の部屋から帽子のコレクションが消える、雪のクリスマス・イブに密室殺人が起きる、黒髪をバッサリ切られた死体が発見されるなど、怪事件が続発!令嬢刑事と毒舌執事コンビのユーモアミステリ第二弾

■感想
ワンアイデアでミステリーを作っている。アリバイ崩しであれ、なんであれ、ひとつのアイデアで勝負している。かなり無理やり感がある。納得できないトリックを強引に物語で抑え込むようなドラマ作りがされていないので、単純にそのトリックを作りたいがために、キャラクターを添え物として配置したように感じてしまう。お嬢様と執事のやりとりで笑えるのは前回まで。今回から少しパターンを変えて、執事が多少お嬢様に気を遣ったりしているあたり、少しだけ変化がある。

「殺しの際は帽子をお忘れなく」は、湯船に浸かった死体の部屋から帽子が消えていたという話。帽子がトリックとどう関係があるのか。状況的な面白さよりも、帽子をどのようにしてトリックに使うのかが気になる。トリックを読むと、まぁ、納得できなくはない。ただ、無理やり感は強い。

お嬢様と執事の図式がないのであれば、ものすごく平凡でありきたりなミステリーと思えてしまう。ワンアイデア自体がどの程度すぐれているかによって熱中度は変わってくるが、本作の短編はどれも微妙というのが正直な感想だ。

丁寧な口調でお嬢様に暴言を吐く執事というキャラクターだったはずが、後半になると暴言が少なくなる。というか、暴言の切れがなくなってくる。このキャラに慣れてしまったというのもあるかもしれないが、新鮮さがなくなると、とたんに色あせて感じてくるのは宿命なのかもしれない。

シリーズはまだ続くのだろうが、このパターンでいくのはそろそろ辛くなってきている。このマンネリ感を打破するためには、お嬢様のライバル的なキャラを出すだとかするしかないのだろうか。

アイデア優先のミステリーが好きな人にはおすすめだ。



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