なぜ、システム開発は必ずモメるのか? 


 2014.9.11      正論だが、大事だ 【なぜ、システム開発は必ずモメるのか?】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

システム開発を仕事としている者にとっては、耳が痛い部分もあり、納得できる部分もある。わかりやすい事例を用いて、システム開発におけるトラブルを工程ごとに説明している。IT系の仕事に従事している人ならば、何かしら感じることがあるだろう。失敗が多い業界であることは間違いない。そして、建前としてやらなければならないことが、正論で語られている。

当然、それを理解していても、そう簡単にできないのが人間だ。システム開発は技術の進歩により短納期開発が当たり前となっている。より複雑化するシステムをミスなく無事終わらせるために、やるべきことはわかっていてもできない。教科書的な事例としては非常に読みやすい。

■ストーリー

実に、およそ7割が失敗するというシステム開発プロジェクト。その最悪の結末である「IT訴訟」の事例を参考に、トラブルの予防策と対処法が学べる1冊です。“IT訴訟専門弁護士・塔子”がトラブルを解説するストーリー!

■感想
IT関連を仕事にしている者としては、納得できるが、万能な解決方法はないのだと改めて思った。システム開発にて発生するトラブルを、最初の要件定義段階から、テスト段階まで、ありそうなトラブルを分かりやすく表現している。要件定義策定時に注意しなけらばならないこと。

設計段階での注意や、パッケージソフトを使う場合の注意など、見逃しがちな部分もしっかりと描かれているので、IT関連の仕事に従事する人は一度読んでみると良いだろう。

システム開発を成功させるには、プロジェクト管理が重要なことと、顧客との関係がさらに重要と語られている。プロジェクト管理なんてのは、すでにどこでもやっていることだが、恐らくできていないのが現状なのだろう。なぜ、できないのかというと、結局のところ、お金がなく期間がないからというオチになる。

誰もがわかってることで、お金と期間があれば、それなりに良いモノができるのは当然のことだろう。短納期と少ないお金でどれだけ成果が出せるかを求められているのだが、それに対する答えはない。プロジェクト管理をしっかりし、それにかかる費用は請求しましょうというスタンスだ。

システム開発にはプロジェクト管理などが必要だが、なにより顧客との対話が大切というのが、力を入れて語られている。訴訟にまで発展するのは、明らかに問題があるが、その前段階でもプロジェクトがうまくいっていない場合は、顧客との対話が足りないらしい。

確かに、顧客担当者と仲良くなれば、何かと融通が利く場合がある。システムに対するこちらの真剣度も伝わり、さらには、相手に真剣に望ませるという効果もある。このあたり、結構おろそかにされがちだが、非常に重要なことだろう。

システム開発に関わる人は、一度読んだ方がよいかもしれない。



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