マイ・サマー・オブ・ラブ


 2014.8.1      少女たちのひと夏の思い出 【マイ・サマー・オブ・ラブ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
田舎に飽きて刺激を求めていたモナと、都会からやってきたタムジン。ふたりの少女が、ひと夏の思い出をまんきつする。モナから見たタムジンは、まさに憧れの女性なのだろう。セレブな生活をし、教養もあり、美人である。モナは宗教にのめり込む兄と田舎暮らしにうんざりし、タムジンに夢中になる。少女ふたりの関係は、一瞬、レズビアン風な香りを漂わせているが、どこか嘘くさく思えてしまう。

セレブなタムジンがモナと仲良くする理由は何なのか。宗教にはまる兄までもタムジンに惹かれていく。モナとタムジンの関係に、突如としておとずれる終わりの時、衝撃的な事実がそこにある。ひと夏の思い出にしては強烈すぎる出来事だ。

■ストーリー

イギリス北部のヨークシャーのとある夏。田舎の空虚な日常に興味を失っていた少女・モナは、都会から避暑のためにこの地を訪れていた美しくも高慢なタムジンと出逢う。二人は急速に親密になっていくのだが…。

■感想
田舎の生活に嫌気がさし、都会の生活にあこがれるモナ。モナの目の前に突然現れたタムジンに惹かれないわけがない。二人はたちまち親密な関係となり、夏の間、二人で悪さをする。タムジンの境遇がセレブでありながら、くそまじめではなく、はじけた行動をとる。

そこにますます憧れるモナ。タムジンの自由奔放な姿というのは、すべてを手に入れたパーフェクトな人間が、自暴自棄になっているようにも思えてくる。タムジンの行動の意味は結末間近にわかるのだが…。

タムジンに翻弄されるモナ。が、そこにはモナ自身がタムジンと同じレベルに引き上げられた気分になり、セレブの生活を謳歌する。タムジンは姉を亡くし、父親と母親の仲が悪いことを嘆く。となると、モナも自分の境遇を告白する。宗教にかぶれた兄。貧乏な生活。

ふたりで秘密を共有し合うことで、より強固な関係が築かれていく。タムジンのモナへの対応は、楽しんでいるようでもあり、どこかバカにしている風でもある。モナの兄を誘惑したりと、タムジンの破天荒さは、よりモナを惹きつけることになる。

ふたりの関係が崩れるのは、タムジンの避暑地暮らしが終わりを迎えたためだ。そこで、衝撃的事実が明らかとなる。モナはすべてを理解し、タムジンから逃げ出す。ひと夏の経験として、モナはひとつ大人になったのだろう。

破天荒で妖艶な魅力を放っていたタムジンが、母親の前では借りてきた猫のように真面目になる。タムジンの表情や仕草すべてが、まるで別人のように変わることに驚いた。モナとタムジンの短い夏休みは、魅力的でもあり、そして、危険でもある。

モナはこの夏のあと、どのような生活を続けるのか、気になるところだ。



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