モテキ


 2014.12.6      モテない男の暴走恋愛物語 【モテキ】  HOME

                     

評価:3

■ヒトコト感想
タイトルとオープニングやパッケージを見ると、モテない男が四人の美女からモテモテになるストーリーを想像していた。実際には、モテない男が恋愛に目覚め、熱くなるという話だ。熱くなると叫びだし、カラオケビデオのような映像が流れ踊り出す。テンションの高さはすさまじい。特殊な演出により、新しさはある。ネットの世界を意識したような作りであることは間違いない。

モテない男の希望になるような物語ではない。変にウジウジし、周りを巻き込み、そして、ひとり熱くなる。キャラ的には、リリーフランキーが圧倒的に目立っていた。主人公の個性よりも、演出が勝っており、結局のところ何が表現したいのかよくわからない作品となっている。

■ストーリー

藤本幸世(31歳)。金なし夢なし彼女なし。派遣社員を卒業し、ニュースサイトのライター職として新しい生活を踏み出そうとしているが、プライベート(=恋愛)の方はまるで充実しないまま。新しい出会いも無く、恋する事も忘れ、ロンリーな日々を送っていたが…ある日突然、異性にモテまくる奇跡のシーズン「モテキ」が訪れた!

趣味が合い見た目もど真ん中タイプなのだが彼氏持ちの雑誌編集者・みゆき。みゆきの親友で清楚な美形OL・るみ子。ガールズ・バーのハデかわ嬢・愛。クールビューティな先輩社員・素子。まったくタイプの異なる4人の美女の間で揺れ動く幸世。

■感想
原作漫画は未読。ドラマも見ていない。そのため、オープニングを見た瞬間、美女に囲まれるハーレムを想像してしまった。ふたを開けてみると、わりとごく普通の恋愛映画となっている。ただ、演出が特殊なため、新しさを感じることは間違いない。

モテないと思い込み、卑屈になる藤本。そのウジウジ感はすさまじい。かと思うと、瞬間的に熱くなり、後先考えずに突っ走る。モテない男がちょっと女に優しくされると、途端にその気になり、暴走するパターンだ。サブカル的小道具をちりばめ、おしゃれな雰囲気を作り上げようとしているが…。微妙な結果となっている。

映像としては面白い。ストーリーはさておき、ちょっとした小ネタは見ていて楽しくなる。テンポの速い展開も良い。ただ、タイトルからは美女四人が登場すると期待してしまう。メインは間違いなく編集者のみゆきで、それ以外は、るみ子が関わるくらい。

愛との絡みなんて一瞬で終わってしまい、素子に関しては恋愛のレの字もない。藤本とみゆきの恋愛で、ほぼ一方的な藤本の気持ちの右往左往といってよいだろう。結局のところ何が言いたいのかよくわからないというのが正直なところかもしれない。

それにしても本作の監督の演出は特殊だ。いかにもネットを意識しました、という作りだ。万人に好まれるわけではないが、熱烈なファンはいるのかもしれない。印象として、特殊な演出でごまかしているように思えてしまう。

ストーリーの内容がスカスカだというのをごまかすことには成功している。見終わってから、特殊な演出ばかりが印象に残り、結局どうだったのかよく覚えていない。リリーフランキーだけが特殊な魅力を放っていたことだけは確かだ。

本作がどの程度一般に受け入れられるのか知りたい。



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