マネーボール


 2014.12.28      選手を株のように 【マネーボール】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
実在の人物を取り上げた作品。貧乏球団が独自の理論で金をかけずに選手を集め優勝を目指す。さながら青春スポ根モノの逆を行くパターンだ。普通ならば、弱小球団に対して新しいGMなり監督なりが改革し、最後には感動の優勝が待っているというパターンだろう。本作では、選手と監督の感動的な交流や、根性により能力アップというのがない。そのため、現実的でありリアルなのだろう。

チームを強くするためには金をかけて優秀な選手を集めるのが手っ取り早い。では、金のない球団はどうするのか。自前で育てるのだが、それも活躍すればすぐに出て行ってしまう。苦しい状況のなか、画期的な理論でチームを立て直そうとするGMの物語だ。

■ストーリー

選手からフロントに転身し、若くしてメジャーリーグ球団アスレチックスのゼネラルマネージャーとなったビリー・ビーンは、自分のチームの試合も観なければ、腹が立てば人やモノに当たり散らす短気で風変わりな男。

ある時、ビリーは、イエール大学経済学部卒のピーターと出会い、彼が主張するデータ重視の運営論に、貧乏球団が勝つための突破口を見出し、周囲の反対を押し切って、後に“マネーボール理論"と呼ばれる戦略を実践していく。

■感想
データと売値や年俸でプラスマイナスを検討し、お得な選手を買い集め、チームを作り上げる。基本的に、知られていない選手や何かしら欠陥があるために安い選手ばかりを集める。正直、このあたりはデイトレーダー的な流れのように思えてくる。

割安株をいかに安く手に入れるか。当然、選手は人間なのでこちらの思惑通り活躍してくれるとは限らない。データ重視で割安な選手ばかりを集めると、周りからはやる気がないと想われるだろう。何事も先進的なことをやると、まわりから批判を受ける。それは仕方のないことなのだろう。

ブラピがGM役となり、補佐として経済学部卒のピーターがつく。二人で割安な選手を買い集め、監督にまで割安選手をつかえと強要する。GMがすべての責任者なのはよくわかるが、監督の意見すらも捻じ曲げてしまうのならば、監督は必要ないだろう。

なんとなくだが、金満オーナーが自分のお気に入り選手をスタメンで使わせたいため、監督に意見するような有名サッカーチームを思い出してしまった。そうなると、ファンはまったく納得しないだろう。なぜそんな選手を使うのか?という不満は爆発することだろう。

実話だけに、最後はリアルな結末となる。そして、ビリーはレッドソックスのGMへと誘われるのだが…。この流れを見ると、ビリーのやり方は結果的に評価されたということだろう。チームは金をかけて良い選手を集めた方が強いのは当然だ。

だが、金をかけずに強くなったとしたら、それは監督やGMの手腕ということだ。メジャーのトレードが、GM同士の話し合いというか、電話の応酬で次々と決まっていくことに驚いた。トレードの場面は、まさに株取引と同じように見えてしまった。

ある意味、選手を株と同じように扱っているということだ。



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