クローズZEROⅡ


 2014.4.13    ヤンキー映画の宿命 【クローズZEROⅡ】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
前作から引き続き、ほぼ原作を無視している。ギャグ風味はなく、終始戦いに明け暮れている。ただ、前作はそれでも特徴的な面白さがあった。演じる俳優たちの個性の賜物なのだろうが、キャラクターの魅力にあふれていた。本作はというと、新キャラクターが多数登場し、さらには前作のキャラも含め、かなり豪華な作りとなっている。が、結局は鈴蘭と鳳仙の戦いという、ごく普通のヤンキーマンガにありそうな展開なため、飽きてくる。

激しい喧嘩の描写が続き、ラストではボスへ行きつく前に中ボス的な人物を仲間が分担して倒していくという、これまた定番的流れだ。シリーズのファンならば楽しめるのは間違いないが、ありきたりな雰囲気なのは間違いない。

■ストーリー

不良の巣窟・鈴蘭男子高校で巻き起こった史上最大の抗争。壮絶な闘いの末に芹沢を倒した源治は、最後の敵“リンダマン"こと林田恵との頂上決戦に挑むが、その圧倒的な力を前に敗北を喫する。それから数ヶ月…。鈴蘭高校に、『殺しの軍団』と恐れられている鳳仙学園の刺客が現れた。

かつて両校に影を落とした“血の抗争"…その哀しき因縁が新たなる闘いの火種と化して、固く守られていたはずの休戦協定が破られる。トップに君臨する鳴海大我を中心に、一枚岩と化した鳳仙学園による侵攻が始まる。リンダマンとの勝負に固執するあまり周囲が見えなくなっている源治、空中分解寸前のG・P・S、沈黙を守る芹沢軍団、好き放題の1年グループ…。

■感想
前作がヤンキー映画にしては面白かったので、期待して見た。が、まぁ、結局は、激しい喧嘩を繰り返す映画となっている。鈴蘭と鳳仙の抗争。それなりの因縁があり、周りもなんだかんだとモメたりもするが、結局は学校同士の戦いということだ。

映像的なインパクトは確かにすさまじい。血みどろになりながら、激しい喧嘩を繰り返す。そりゃぁおおげさだろう、と思うくらい血みどろで、最後には白いタンクトップが真っ赤に染め上っている。そこまで激しく戦えば死人がでるのでは?と思えるほどだ。

前作のキャラはそのままに、鳳仙側の新キャラたちが個性豊かだ。大将の鳴海に加え、周りの幹部たちの怪しさは格別だ。五厘刈りの鳳仙の生徒たちの中で、髪を伸ばせるのは幹部だけ。となれば、売れっ子俳優がまさか丸坊主にするはずもなく、1年で幹部扱いとなる。

まぁ、鈴蘭と鳳仙の対決ならば、それぞれの副将的キャラたちがタイマンし、最後に大将同士のタイマンで決着をつける。バトル映画としては定番すぎる流れだが、大勢入り混じりわけがわからなくなるよりは良いのだろう。

キャラの濃さでは、前作に負けていない。晴れていても黒い傘をさしている男や、鈴蘭から鳳仙へ転校し、無謀な戦いを挑む男など、そうとうキャラ立ちしている。極め付けは、前作でラストに少しだけ登場したリンダマンが、本作ではひたすらその強さをアピールするなど、特殊な面白さがある。

ただ、結局のところ喧嘩映画でしかないので、喧嘩シーンの連続には飽きてくる。前作ほどストーリーに深みがないので、飽きるのが早いのかもしれない。あとは、喧嘩シーンに慣れたというのもあるのだろう。

続編は、前作の良さを残しつつ飽きさせない工夫が必要なので、難しいのだろう。



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