清洲会議


 2014.12.30      ヘンテコメイクのインパクト 【清洲会議】  HOME

                     
評価:3

■ヒトコト感想
織田信長が死に、織田家の跡取りを決める会議での出来事を面白おかしく、そしてシリアスに描いている。まず強烈なのは、出演者の豪華さだ。主演級の俳優たちがチョイ役として登場したりもする。さらには、豪華な俳優たちに変なメイクをさせている。女は丸く眉を描きお歯黒をする。男は付け鼻や不自然なメイクをする。

もしかしたら歴史的には忠実なのかもしれないが、あえてそこを忠実にする必要があるのか。見た目のインパクトで、もしかしてコメディなのでは?とすら思ってしまう。物語がすすむにつれてシリアスな展開となる。権力争いの智謀知略はヒリつくような緊迫感がある。歴史に興味がある人はもちろんだが、ない人も楽しめるような作りとなっている。

■ストーリー

天正10年(1582年)本能寺の変。一代の英雄織田信長が死んだ―。跡を継ぐのは誰か?後見に名乗りを上げたのは2人。筆頭家老・柴田勝家(役所広司)と後の豊臣秀吉・羽柴秀吉(大泉洋)。勝家は、信長の三男でしっかり者の信孝(坂東巳之助)を、秀吉は、次男で大うつけ者と噂される信雄(妻夫木聡)を信長の後継者として推す。

勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長の妹・お市様(鈴木京香)は、秀吉への恨みから勝家派に。一方、秀吉は、軍師・黒田官兵衛(寺島進)の策で、信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方に付け、妻・寧(中谷美紀)の内助の功もあり、家臣たちの心を掴んでいく。 そして、開かれる清須会議―。

■感想
本能寺の変後、織田家の跡取りを決める会議を描いた物語。まず俳優たちが歴史上の人物を演じるのだが、ヘンテコなイメージのキャラが多い。シリアス調なキャラもあるが、あえて変なメイクをして、おかしなキャラに仕立て上げているのだろう。

中谷美紀演じる秀吉の妻・寧は、田舎者まるだしで太い眉毛と方言を全開にする。かと思えば、お市を演じた鈴木京香の異様なメイクが目についてしまう。眉毛をソリ、墨で丸い眉毛を描き、お歯黒をする。シリアスな場面であっても、なんだかその表情が気持ち悪くすら思えてくるインパクトがある。

鈴木京香だけでなく剛力彩芽も同様に気持ち悪いメイクをしている。当時は女性はこのメイクなのだろう。が、それを映画で忠実に再現する必要があるのか。一瞬コメディと錯覚してしまう。中盤以降になれば、それらヘンテコメイクには慣れてしまう。

コメディ要素は少なく、戦国武将同士の権力争いがひたすら描かれる。智謀知略をつくした戦いの中で、柴田勝家の単細胞な動きというのはやはり面白い。思わず応援したくなるが、歴史的には敗北することがわかっているだけに、判官びいき的な目線で見てしまうのだろう。

知力をつくした戦いは秀吉側に軍配が上がる。その中でも軍師・黒田官兵衛は抜群にかっこよい。本作を見ると、かなり役どころにより、良い悪いがはっきりしている。演じる俳優たちも、「あの役が良かった」なんていう思いもあっただろう。

妻夫木聡が演じる信長の次男の信雄などは、ただのダメキャラでしかない。イケメン俳優をあえてコメディキャラに使い、松山ケンイチなどは、ほんのわずかしか画面に登場しない。かなり豪華な俳優たちを、ものすごく贅沢な使い方をしている。

見た目のインパクトは最初だけ。いつの間にか清州会議の流れに引き込まれてしまう。



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