キング誕生 池袋ウェストゲートパーク青春編 


 2014.11.29      スカした高校時代のタカシ 【キング誕生 池袋ウェストゲートパーク青春編】  HOME

                     

評価:3

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■ヒトコト感想

IWGPシリーズで主役のマコト以上にインパクトのある活躍をするタカシ。そのタカシがGボーイズのキングになるまでが描かれている。新たな情報としてタカシに兄がいたことと、母親が病弱だというのがある。それ以外には、今までのシリーズと同様にタカシがマコトと共に、その実力が未知数なまま池袋で過ごす過程が描かれている。

兄のタケルの強さを表現し、兄がやられるような敵にタカシが勝つことで、タカシの非凡さをアピールする。定番となるゆるい雰囲気はいつもどおり。このシリーズのファンならばたまらないだろう。ただ、内容としては、ありきたりというか、想定の範囲内だ。キングタカシの成り立ちが読めるということに価値があるのだろう。

■ストーリー

誰にだって忘れられない夏の一日があるよな―。高校時代のタカシには、たったひとりの兄タケルがいた。スナイパーのような鋭く正確な拳をもつタケルは、みなからボスと慕われ、戦国状態だった池袋をまとめていく。だが、そんな兄を悲劇が襲う。タカシが仇を討ち、氷のキングになるまでの特別書き下ろし長編。

■感想
シリーズでのタカシのイメージは、Gボーイズを束ねる存在で、金持ちであり圧倒的な強さを持つ存在だ。マコトがピンチな時には、必ずでかい車に乗ってGボーイズと共に助けにくる。まっとうな仕事をせずに、カリスマ性で金を稼ぎ、池袋を良くするために尽力する。

スカしてはいるが、タカシの圧倒的な強さは魅力抜群だ。シリーズでも人気のキャラなのだろう。イメージはドラマで演じた窪塚だ。まだマコトとタカシが高校生のころを描いた作品のため、わずかながらの初々しさがあるのが良い。

タカシはまだ池袋のキングとして目覚める前なので、どこか厭世的だ。対してマコトは最新シリーズのマコトとほとんど変わらない。いつも暇を持て余し、店番をしてたまに学校をさぼる。このマコトのゆるさもシリーズの魅力のひとつだが、タカシはキャラとしてはいけすかない感じだ。

寡黙で実力がありながら、それに気づいていない。兄に少しだけコンプレックスを感じており、日々希望を持てずに過ごす。キングとなったタカシと比べると、あまり魅力はない。が、未完成という意味では正しいのかもしれない。

キングタカシの実力と家庭環境が垣間見えるのが本作のポイントなのだろう。マコトとタカシの関係も、実はかなり深いというのがよくわかる。家族ぐるみの付き合いと言えるだろう。キングとなったタカシが、何かとマコトに肩入れする理由がはっきりした。

タカシの強さの理由も、兄譲りというのもあるが、根本的な才能の違いということがアピールされている。Gボーイズなんて、怪しいことをして金稼いでるだけだろう、というイメージは拭い去れないが、オレオレ詐欺のグループを壊滅させたりと、正義のイメージを植え付けようとしている。

シリーズのファンならば読むべき作品だろう。



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